TOP > 個人請負・業務委託契約を結ぶ場合の注意点 (労務情報NO.107)

 

個人請負・業務委託契約を結ぶ場合の注意点 平成15年3月25日 発行

最近の厳しい経済状況やIT環境の発展などを反映して、個人と請負契約・業務委託契約を結んで業務を処理するケースが増えてきています。ところが、契約上は請負・業務委託という形をとっていても就労の実態により労働者とみなされてしまうケースがあります。そこで今月号では個人と請負・業務委託契約を結ぶ場合の注意点を解説いたします。

 

1.労働契約と請負契約・業務委託契約との違い

【労働契約】

→労働者(社員)が提供する労働に対して
   賃金(報酬)が支払われる。

⇒労働基準法などの労働法が適用される

00 【請負契約・業務委託契約】

→契約した仕事(事務処理)の完成(成果物)に対して
   報酬が支払われる。

⇒労働者ではないため、労働法は適用されない


★契約の形式にかかわらず、「労働者」に該当するとみなされた場合、その契約は労働契約になる。
就労の実態で判断され、請負契約や業務委託契約であっても受注者が「労働者」とみなされれば 労働契約となり、労働法の適用を受けることになってしまう。

【労働者とみなされる判断基準】 ※[1]〜[7]に該当する数が多いほど、「労働者」とみなされる可能性が高くなります。
(1)会社に使用される者と認められるかどうか (2)受ける報酬が労務提供に対する「賃金」となるかどうか
[1]仕事の依頼や業務の指示などを許諾する自由がない [5]報酬が時間給を基礎として計算されるなど、労働の結果による
 較差が少ない
[2]業務を行う上で指揮命令を受けている
[3]時間的に拘束され、労働時間の管理を受けている [6]欠勤した場合にはそれに応じた欠勤控除がなされる
[4]本人以外の者がその業務を代行できる(代替性がある) [7]残業した場合には別の手当(残業手当など)が支給される

2.請負契約・業務委託契約と認められるチェックポイント

請負契約・業務委託契約を締結していても、社員と同様に一定時間拘束する場合や、会社の指揮命令の下で作業を行う場合は
請負契約・業務委託契約と認められません。認められるには以下のポイントが重要になってきます。

[1]労働力を供給してもらう目的となっていないこと(仕事の完成(成果)が目的であること)
[2]請負・業務委託関係にある者を直接指揮命令していないこと(業務の進捗状況を聞くなど、発注者としての指示は可能)
[3]請負契約とする場合は、仕事の完成を請け負ってもらい、その仕事に対して報酬を支払う形態であり、仕事の遂行手順や相手方の労働者の振り分けなどを業者側の裁量によって決定できることになっていること
[4]業務委託契約の場合は、事務処理など業務の処理を委託する形態であり、仕事の遂行手順や相手方の労働者の振り分けなどを業者側の裁量によって決定できることになっていること
[5]請負・業務委託関係にある者の出退勤時刻の管理や残業の指示などの時間管理、その労働者の業務に関する評価などの雇用管理に関わっていないこと
[6]法律に特別の定めがある場合を除き、請負・業務委託関係にある者の服務規律に関して指示・管理をしたり、配置について決定・変更を行っていないこと
[7]業務の遂行方法や、請負・業務委託関係にある者の仕事の割り振り、調整などを行っていないこと
[8]請負または委託した業務を遂行するために必要な機械や設備、器材(業務上必要な簡易な工具を除く)、材料、資材等を請負関係にある者が用意していること。または、発注者がこれを貸与する場合は、別途双務契約を締結して、それに基づいて貸与していること
[9]上記[1]〜[8]に関する内容を請負契約書または業務委託契約書に明示していること

| 戻る |

Copyright(C) 1998-2003 CommunicationScience Co.,Ltd All Rights Reserved