TOP > 解雇理由別にみた普通解雇の取り扱い (労務情報NO.109)

 

解雇理由別にみた普通解雇の取り扱い 平成15年5月25日 発行

普通解雇とは、社員としての能力が不足しているとか、欠勤が多いなどといった社員の問題行為等を理由とする解雇をいいます。 しかし、横領などの重大な背信行為があった場合に懲戒解雇にするべきところを温情により普通解雇扱いにする場合もあります。 今月号では普通解雇をする場合の一般的な条件および解雇理由ごとに、どのような場合に解雇が正当とされ、どのような場合に解雇権の乱用とされるのかその判断基準を解説いたします。

 


普通解雇の条件
(1)30日前までに解雇の予告をするか、30日前までに予告をしない場合は平均賃金の30日分以上の解雇予告手当を支払うこと。  但し、労働基準監督署の解雇予告除外認定を受けた場合は必要ありません。
(2)労働基準法、男女雇用機会均等法、育児・介護休業法等の法令に違反しない解雇理由であること。
(3)就業規則などに定めた解雇事由や手続きに違反しないこと。
(4)解雇理由が客観的に合理的であり、公序良俗に反しないこと。
(5)解雇手続きの面で、対象者と十分な話し合いをするなど、信頼関係を著しく損なう方法を取らないこと。

以下、ケースごとに判断基準となるポイントを挙げておきます。

無断欠勤を繰り返す社員、欠勤・遅刻・早退が多い社員

 
  1. 就業規則などの解雇事由に該当しているか
  2. 欠勤などをしたことについて正当な理由があったか
  3. 欠勤日数、それまでの勤務成績などからみて、情状酌量の余地があるか
  4. 出勤の督促や始末書の提出をしたなど、会社の指導・注意が適切であったか
  5. 他の社員と比較して、不均衡な取り扱いをしていないか
  6. 欠勤、遅刻などにより業務の遂行に具体的な支障があったか

上司に反抗的、業務命令に従わない等協調性の無い社員

 
  1. 就業規則などの解雇事由に該当しているか
  2. 何度も繰り返し問題行動が行われたか
  3. その行動により業務の遂行・企業秩序に具体的な支障・悪影響があったか
  4. 会社から注意・指導を行ったか
  5. 本人に改善の意欲が認められないか
  6. 同じような行動をしているほかの社員を不問にしていないか

一般の社員が能力不足であった場合

 
  1. 就業規則などの解雇事由に該当しているか
  2. 能力不足の程度が解雇もやむをえないほどに著しく低いのか
  3. 教育訓練の実施など能力向上のための努力を十分行ったか
  4. 本人に改善の意欲がないなど将来にわたって能力向上の見込みが無いか
  5. 能力を発揮できそうなほかの部署・職務への配点を検討・実施したか
  6. 他の社員と比較して、不均衡な取り扱いをしていないか
  7. 会社の指導や管理体制に落ち度がなかったか

管理職として中途採用された社員が能力不足であった場合

 
  1. 就業規則などの解雇事由に該当しているか
  2. 特定の地位に就けることが雇用契約の内容となっていたか
  3. その地位に相応する賃金が支払われているか
  4. その地位における職務の遂行に必要な能力や適性が不足しているか
  5. 会社の要求する職務内容・遂行能力が雇用契約上明確になっているか

会社に内緒でアルバイトをしていた社員

 
  1. 就業規則などに兼業禁止規定があるか
  2. 兼業により下記A.B.C.のいずれかの事情が生じているか
    A.会社の営業秘密が漏れるなど経営秩序が乱された
    B.労働を提供することが不能又は不完全になった
    C.会社の信用、対面が傷つけられた
  3. 会社が兼業を止めるよう説得するなど、雇用を維持する努力をしたかどうか

私生活で犯罪行為などをした社員

 
  1. 就業規則などの解雇事由に該当しているか
  2. 会社名が報道されてしまったなど、会社の信用・名誉が実際に傷つけられたかどうか
  3. その犯罪行為が他の社員の勤労意欲を減退させるなど職場秩序に悪影響を与えたかどうか
  4. 軽い違反などではなく、重大・悪質な違反または犯罪行為であったかどうか
  5. 他の社員と比較して、不均衡な取り扱いをしていないか
なお、個々の具体的な事情により、判断基準のポイントとなる事項が上記のほかにも考慮される場合があります。

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