TOP > 年金制度改革(2) (労務情報NO.118)

 

年金制度改革(2) 平成16年2月25日 発行

 前回に引き続き年金制度改革の主なポイントを説明します。今回は「(3)厚生年金の最終的な保険料水準」、「(4)国民年金(基礎年金)の国庫負担割合の2分の1への引き上げ」、「(5)パートタイマー、アルバイトに対する厚生年金の適用拡大」について説明します。

(3)厚生年金の最終的な保険料水準を年収の18.35%に固定

2004年2月10日に18.3%に変更されました。

今回の改正では少子高齢化に対応できる制度をつくることが最大の目的となっています。これまでは支給する年金の水準が先に決められ、それをまかなえるように保険料が決められていました。しかし、少子高齢化が進むとこのしくみでは保険料は高くなるいっぽうになってしまいます。
改正後は、先に将来の保険料の上限を決め、その財源の範囲内で年金を支給するしくみになります。具体的には、2004年10月から保険料率を毎年0.354%ずつ14年かけて引き上げていき、2017年度に年収の18.3%に固定する予定です。サラリーマン男性の平均である年収約560万円(給与+賞与)の場合、毎年約1万円の負担増となり、会社も同額の負担増となります。

(4) 国民年金(基礎年金)の国庫負担割合の2分の1へ引上げ

国民年金保険料の未納率が4割近い現在、国民年金(基礎年金)の国庫負担割合を3分の1から2分の1に引き上げることが、年金制度を維持するために必要になっています。引き上げの方法としては「段階的に引き上げ、5年かけて完全実施する」などが考えられていますが、引き上げに必要な財源については、2004年〜2005年度に所得税において老年者控除の廃止や公的年金等控除の縮小をすることで約2400億円を確保し、2007年度をめどに消費税を含む全体的な税制改革を行う予定です。 国民年金の保険料は、2005年4月から毎年280円ずつ引き上げられ2017年度に月額16,900円に固定される予定です。

(5)パートタイマー、アルバイトに対する厚生年金の適用拡大

昨年、厚生労働省が発表した年金制度改革案では、「短時間労働者」(パートタイマー、アルバイト)に対する厚生年金の適用範囲を広げることが挙げられていました。内容は次のとおりです。

・ 短時間労働者に対する厚生年金の適用範囲を広げる。その際、一定の配慮を行う
週の所定労働時間が20時間以上の人に対して、厚生年金の加入を義務づける。
・ 保険料については、特別な低い標準報酬区分を新たに設ける。
現在の基準では、パートタイマー、アルバイトでも労働する時間や日数が正社員の4分の3以上(所定労働時間が1日8時間の会社であればおおむね6時間以上、月20日間勤務であれば15日以上)の場合は厚生年金に加入する義務があります。しかしその基準に満たない場合には加入する必要はありません。 厚生労働省は厚生年金の加入基準を週20時間以上とした場合、新たに132万人が厚生年金に加入し、保険料収入は約4200億円になると試算しています。しかし、実際に保険料を負担するパートタイマー、アルバイト側と会社側(特にパート比率の高い流通・サービス業界)の双方からの反発が強く、雇用情勢にも影響することから、パート・アルバイトの厚生年金適用拡大は今回の改正では見送られ、5年後に再検討することになりました。

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