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労働実態調査について 平成16年5月25日 発行

賃金不払い残業(いわゆるサービス残業)に対する規制が強化されたことや、過労死・過労自殺が問題視されていることなどから、労働基準監督署が会社に直接立ち入って労働基準法をはじめとした法令の遵守状況を調査する「労働実態調査」を行うケースが非常に増えています。今月号では、労働実態調査の具体的な内容や対応策について解説します。

★労働実態調査には、「定期監督」と「申告監督」の2つがあります。

定期監督 労働基準監督署が無作為に選定した会社に対して、調査依頼という形で時間管理や安全衛生、賃金(特に残業代の支払い)の取り扱いなどの労務管理全般について調査・監督が行われます。調査の結果、法律違反部分があればその部分に対して指導や是正勧告が行われることになります。

申告監督 第三者(社員や退職者、その家族など)からの申告等により法律違反の疑いがある場合において、これに基づいて労働基準監督署が調査・監督を行います。法律違反の事実があればその部分に対して指導や是正勧告が行われることについては定期監督と同じですが、その内容は定期監督と比べて厳しいものになることが一般的です。なお、申告等の多くは残業代の未払いについてのものであるため、その場合、ケースによっては最大2年間分の残業代の支払いを是正勧告によって命じられることもあります。

【労働実態調査の流れ】

調査対象事業所の選定   第三者からの申告、投書など
0   0
調査依頼を会社宛に連絡(電話・文書)   出頭通知
0   0
定期監督   申告監督
0   0
調査・監督により法律違反の事実が発覚
  0  
是正勧告または指導
0   0
改善する   改善しない
0   0
終了   0
    0
再監督(再度の是正勧告)
0   0
改善する   改善しない
0   0
終了   悪質と判断
    0
    書類送検
    0
検察庁
0 0 0
嫌疑なし 起訴猶予 起訴
    0
    裁判により無罪・裁判により有罪

【会社の対応策】

就業規則(10人以上の場合)や36協定届を労働基準監督署に提出したり、社員に残業をさせた場合には残業分の割増賃金を支払うなど、労働基準法で決められているルールを守ることはもちろんのことですが、それ以外にも会社は次のようなことに注意し、対策をしておくことが必要です。
  • 会社には社員の労働時間管理を行う義務があるため、社員の労働時間(出社時刻、退社時刻など)についてはタイムカードやそれに代わる確実な方法で把握しておく必要があります。(特に残業時間を自己申告制としている場合には、実際の残業時間よりも少なく申告していないか実態調査する等のことをしておかないと、会社の責任を問われる可能性があります)
  • 会社の残業代の支給方法を再度確認し、法違反部分がある場合には見直しを検討するとともに、@業務の効率化を行って残業そのものを少なくする、A残業が必要な場合には申請書を提出させ、上司が判断のうえ許可する形にして無駄な残業をなくすといったことを行うことで、サービス残業と判断される危険性を小さくすることが必要です。

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