TOP > 労災保険の補償の対象となる通勤災害 第1回 (労務情報NO.122)

 

労災保険の補償の対象となる通勤災害 第1回 平成16年6月25日 発行

通勤は仕事を行ううえにおいて必要不可欠なものであることから、労災保険では通勤途中の事故も「通勤災害」として補償の対象になっています。ただし、通勤途中の災害であればすべてが通勤災害と認められる訳ではなく、補償の対象になるケースとならないケースがあります。どのようなときに通勤災害として認められるのか、その場合、どのような給付を受けられるのかを2回にわたって解説します。第1回は通勤災害の原則的な取り扱いの説明、第2回はQ&A方式で具体的な事例を交えて解説します。

【通勤災害と認められる「通勤」とは】
  • 労働者が、就業に関し、住居と就業の場所との間を、合理的な経路及び方法により往復すること
  • 通勤時に逸脱・中断をしていないこと(日常生活上必要な行為をやむを得ない理由により行うための最小限度のものは除かれます)

【語句の説明】
(1)「住居」 社員の就業のための拠点となっている場所であり、自宅の他、単身赴任先の住居や、仕事に関連して臨時に宿泊するホテルなどもこれに該当します。
(2)「合理的な経路」 通勤に通常利用する経路のことであり、複数の経路があればそのすべてが合理的な経路とされます。(必要以上にまわり道をした場合などは認められません)
(3)「合理的な方法」 無免許運転や飲酒運転など犯罪行為である場合を除き、徒歩・自転車・自動車・電車等による通勤すべてが合理的な方法と認められます。(会社への届出と異なっていても認められます)
(4)「逸脱」 別の場所へ寄り道をするなど、通勤の途中で通常の経路から外れることをいい、逸脱後の通勤災害はすべて認められません。
(5)「中断」 通勤経路上の喫茶店に入るなど、通勤の途中に他の行為をすることをいい、中断後の通勤災害はすべて認められません。
(6)「日常生活上必要な行為」

日用品を購入することや病院へ行くことなどをいい、具体的な基準が厚生労働省令で定められています。これらの行為を行った場合、逸脱中・中断中の通勤災害は認められませんが、その後、元の経路に戻った後の通勤災害は認められます。(具体的なケースについては第2回で説明します)

【通勤災害となるかどうかの判断基準】

【主な給付の内容】
(1)療養給付 通勤災害によるケガや病気については、治療費や薬代がほぼ全額支給されます。(自己負担は最大200円)
(2)休業給付 通勤災害によるケガや病気の療養のために会社を4日以上休み、給料が支給されないときに、4日目から欠勤1日につき給料(平均賃金)の8割が支給されます。(給料が一部支給される場合には、調整された額が支給)
(3)障害給付 通勤災害により障害が残ったときに、法律で決められた障害の等級に応じて年金または一時金が支給されます。
(4)遺族給付 通勤災害により死亡したときに、一定の遺族に対して年金または一時金が支給されます。
(5)葬祭給付 通勤災害により死亡したときに、葬儀を行う者(遺族等)に対して一時金が支給されます。

なお、業務災害とは異なり、通勤災害による給付が社員に対して行われても、会社が支払う労災保険料は引き上げられません。

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