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みなし労働時間制の適用 平成16年10月25日 発行

 会社は、社員の労働時間を把握する義務を負っています。労働時間は実際に勤務した時間で計算するのが原則ですが、会社外で勤務する社員など労働時間の把握が難しい場合があります。労働基準法は、このような場合に実際の労働時間とは関係なく勤務したものと「みなす」制度を設けています。今月号では、みなし労働時間制について解説します。

【みなし労働時間制の種類】
みなし労働時間制は、「事業場外労働」に関するものと、「裁量労働」に関するものの2つに大別できます。
  1. 事業場外労働に関するみなし労働時間制(7.3%)
  2. 専門業務型裁量労働制(1.4%)
  3. 企画業務型裁量労働制(0.3%)
    ※カッコ内数字は2003年就労条件総合調査(厚生労働省)による企業の各制度の導入率

  • 外回りの営業社員や出張など、会社外で勤務する社員は管理者の指揮監督が及ばず労働時間を把握することが難しくなります。 事業場外労働は、このような場合に通常の所定労働時間を勤務したものとみなす制度です。
  • 裁量労働は業務の性質上、管理者の指揮監督になじまないもので、仕事の進め方や時間の使い方を大幅に社員の裁量に委ねる制度です。

【事業場外のみなし労働時間制の対象となる業務とは】
会社外で勤務した場合に何時間勤務したのかを把握するのが難しいときが対象になります。

≪会社外で勤務してもみなし労働時間制が適用されない場合≫

  1. 数人で一緒に外で勤務するとき、労働時間の管理をする者がいる場合
  2. 無線やポケットベル等で常時会社の指示を受けながら勤務している場合
  3. 業務の具体的指示を受けて会社外で勤務し、その後会社に戻る場合
※上記の場合以外でも、会社の具体的な指揮監督のもとに勤務している場合には、みなし労働時間制は適用されません。

携帯電話を持っている場合は(2)に該当する可能性があります。ただし、会社から具体的な指示を受けずに仕事を進め、 緊急連絡用として携帯電話を持っている場合には、みなし労働時間制を適用できます。

【事業場外のみなし労働時間制による労働時間の計算方法】
(1) 原則として所定労働時間を勤務したものとみなす
    → 1日の全部または一部を会社外で勤務した場合で、労働時間を把握するのが難しい場合は
        所定労働時間勤務したものとみなすというものです。
(2) 通常所定労働時間を超えて勤務することが必要な場合には、その仕事に通常必要とされる時間勤務したとみなす
    → 所定労働時間8時間の他、1日当たり1時間程度の時間外労働が必要と見込まれる場合は、
        9時間勤務したものとみなすというものです。
(3) (2)の場合で労使協定が締結されたときは、協定で定める時間を「その仕事に通常必要とされる時間」とする
    → 労使間で通常必要とされる時間を協議して労使協定で定めたときは、協定で定めた時間を勤務したもの
        とみなすというものです。「協定で定めた時間」が法定労働時間を超える場合は、所轄労働基準監督署に
        労使協定を届出なければなりません。
≪事業場外労働のみなし労働時間の計算例≫
  ・始業9時、終業18時、休憩1時間、所定労働時間8時間の場合(社内勤務 社外勤務 )

9時から10時の1時間、17時から18時の1時間は社内で勤務し、10時から17時まで社外で勤務。
   ⇒ 所定の時間(この場合8時間)を勤務したとみなします。

    9時から10時の1時間、17時から19時の2時間は社内で勤務し、10時から17時まで社外で勤務。
   ⇒ 18時以後の1時間を別途加算し、1日の労働時間は8+1=9時間となります。
19時に帰社して21時まで勤務。 ⇒ 帰社後の2時間を別途加算し、1日の労働時間は8+2=10時間となります。
19時に帰社せず、直帰した場合。 ⇒ この場合、1日の労働時間は8時間となります。

※所定の時間を超えた時間に社内で勤務した場合は、その時間を加算します。
事業場外のみなし労働時間制の場合、上図のように時間外労働が発生する場合があります。

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