TOP > 始末書に関する取扱いについて (労務情報NO.127)

 

始末書に関する取扱いについて 平成16年11月25日 発行

 社員が何らかの問題を起こした場合、会社は社員に対して「始末書」といった文書を提出させるケースが多く見られます。しかし、始末書の取りかたや対応のしかたには一定のルールがあり、このルールを知らないと後で人事労務管理上のトラブルになってしまうことがあるので注意が必要です。今月号では、始末書に関する取扱いについて解説します。

【始末書とは何か】

始末書 ・・・ 事故や問題などを起こした者が、その報告や謝罪のために事故・問題の経過や事情を記載して提出する文書のことであり、「会社への報告」と「本人の謝罪」という2つの意味が含まれているものを指します。
   
    労務管理上、始末書は、社員が会社の服務規律等に違反する行為を行なった場合において、社員自身がその違反行為を確認のうえ謝罪し、将来において同様の行為を繰り返さないように約束させることを目的とします。
したがって、始末書の狙いとしては本人の謝罪や反省を促すことが中心となり、単に事実や経過を報告させる「報告書」や「顛末書」とはその性格が異なりますので区別することが必要です。

※始末書の記載方法について決められた書式はありませんが、下記の内容を必ず含めたうえで、できるだけ詳細に記載してもらうことがポイントになります。
  1. 始末書の提出(作成)年月日
  2. 始末書の提出先
  3. 事実の記載(いつ(発生した日付・時刻)、どこで、誰が(誰に対して)何をしたかなどの具体的事実とその理由を詳細に)
  4. (3)の事実に対する本人の謝罪文・反省文
  5. 今後同様の行為を繰り返さない旨の記載(場合によってはそのための方策等も記載させる)
  6. 本人の署名捺印(署名は必ず本人に自署させるようにする)

【始末書を提出させる際の留意点】
◆始末書の提出には就業規則等の定めが必要◆

  ⇒始末書の提出は、「譴責」や「訓戒」といった懲戒処分として行われることが一般的です。したがって、始末書を提出させる場合、その前提として、懲戒処分の対象となる行為とその行為に対する懲戒処分の種類を就業規則等にあらかじめ定めておかなければなりません。

◆始末書提出命令の限界◆

  就業規則等に始末書を提出する旨の規定があったとしても、始末書の提出を義務付けることはできません(始末書による「謝罪」という行為は、個人の自発的な意思によって行なわれるものであり、謝罪を強制することはできないと 考えられているため)。したがって、会社が社員に始末書の提出を求めること自体は違法ではないとされていますが、 業務命令として始末書の提出を強制することはできません。 また、始末書の提出を拒否した者について、始末書を提出しないことを理由に新たな懲戒処分をすることもできませんので注意が必要です。

※謝罪や反省の意味を含まず、単に事実の経過等を報告させる「報告書」や「顛末書」については業務命令として提出を義務づけることは可能であり、提出を拒否した場合には業務命令違反として懲戒処分を行なうことも可能です。

◆始末書を提出させる時に気をつけなければならないポイント◆

  • 複数の上司で取り囲んだり、始末書を書くまで退室させないなどといった威圧的な行為は、パワーハラスメントなどの違法行為となる可能性があるため、絶対に避けてください。
  • 違反等をした社員本人が始末書の内容を書くことが前提です。会社が作成した文書に署名だけさせた場合、後で社員から「自分の意思に反した内容に無理やり署名させられた」などと主張される恐れがあります。

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