健康保険法の改正について
平成18年8月25日 発行
平成18年6月に健康保険法等の一部を改正する法律が国会で可決され、平成18年10月1日より順次施行されます。高齢化の進展で医療費の増大が懸念されており、医療保険制度を将来にわたり持続可能とするために、医療給付費を抑制することが法改正の目的です。平成20年4月までに、様々な対策が実施されますが、今月号では平成18年10月1日及び平成19年4月1日より施行される改正点の主なポイントについて解説します。

1.出産育児一時金、埋葬料の見直し (平成18年10月1日より)
 

現行 平成18年10月以降
出産育児一時金 (一子につき)30万円 (一子につき)35万円
※埋葬料・家族埋葬料 埋葬料は被保険者の標準報酬月額に相当する金額か、政令に定める額(10万円)の高い方 家族埋葬料は10万円 一律5万円
※埋葬料は被保険者が死亡したとき、当該被保険者に生計を維持されていた者であって、埋葬を行うものに支給される。
   家族埋葬料は被扶養者が死亡したとき、被保険者に支給される。

2.高額療養費の自己負担限度額の見直し (平成18年10月1日より)
 

高額療養費とは、医療費の自己負担額が高額になった場合、一定の金額(自己負担限度額)を超えた部分が払い戻される制度です。今回の改正では自己負担限度額が引き上げられます。

例)Aさん(30歳、月収30万円)が平成18年8月及び10月にB病院に通院
医療費は各月30万円(自己負担額は3割負担なので各月9万円)
現行の自己負担限度額計算式※
72,300円+(300,000円−241,000円)×1%
10月以降の自己負担限度額計算式※
80,100円+(300,000円−267,000円)×1%
⇒自己負担限度額は72,890円 ⇒自己負担限度額は80,430円
還付額
90,000円(自己負担額)−72,890円(自己負担限度額)=17,110
還付額
90,000円(自己負担額)−80,430円(自己負担限度額)=9,570
※自己負担限度額の計算式は所得、年齢によって異なる。上記は70歳未満の一般の方の例。

3.傷病手当金、出産手当金の支給の見直し (平成19年4月1日より)
 

傷病手当金、出産手当金の現行支給額は、欠勤1日につき標準報酬日額※の6割ですが、この支給額が引き上げられます。
また、一定の条件のもとで行われている任意継続被保険者への支給、資格喪失後の支給についても見直されます。

現行 平成19年4月以降
傷病手当金・出産手当金の支給額 欠勤1日につき、標準報酬日額の6割 欠勤1日につき、標準報酬日額の3分の2相当額
任意継続被保険者への支給 傷病手当金や出産手当金を支給 傷病手当金や出産手当金の支給を廃止
資格喪失後の支給 出産手当金は継続1年以上被保険者で、資格喪失後6ヶ月以内の出産であれば支給 出産手当金の支給を廃止
※標準報酬日額とは標準報酬月額の30分の1相当額

4.標準報酬月額と標準賞与額の見直し (平成19年4月1日より)
 

標準報酬月額の上限と下限が見直されます。また、標準賞与額の上限額も見直されます。

現行 平成19年4月以降
標準報酬月額 9万8千円から98万円までの39等級 5万8千円から121万円までの47等級
標準賞与額 上限額:1回の支給につき200万円 上限額:※各年度の標準賞与の累計額が540万円
※例)夏季賞与が200万円、冬季賞与が350万円、期末賞与が150万円の場合
     ⇒標準賞与額は夏季賞与200万円、冬季賞与340万円(残りの160万円は540万円を超える部分なので保険料徴収の対象にならない)

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