パートタイム労働法の改正について
平成19年6月25日 発行
少子高齢化や雇用形態の多様化といった就業環境の変化に伴い、パート・アルバイトをはじめとする短時間労働者の処遇向上を目的として、パートタイム労働法(「短時間労働者の雇用管理の改善等に関する法律」)の改正が平成19年5月25日に成立しました。今月号では、パートタイム労働法の改正内容について解説します。

改正された内容の概要

改正内容
施行日
(1)雇い入れ時の労働条件に関する文書の交付が義務付けられます。
平成20年4月1日
(2)通常の労働者と同視すべき短時間労働者に対する差別が禁止されます。
(3)短時間労働者(Aの労働者を除く)への均等待遇の努力義務が追加されます。
(4)短時間労働者から通常の労働者への転換を推進するための措置が義務付けられます。
(5)苦情処理・紛争解決援助のしくみが明確化されます。
(6)事業主等への支援として、短時間労働援助センターの業務が見直しされます。
平成19年7月1日

パートタイム労働法における短時間労働者の区分

◎パートタイム労働法では、通常の労働者(正社員など)と待遇等を比較して、短時間労働者を次の4つに分けています。
 すべての短時間労働者について、一律に同一の処遇を求めているものではないことに注意が必要です。
短時間労働者の区分
職務
(仕事の内容・責任)
人材活用のしくみ
(人事異動の有無・範囲など)
契約期間
通常の労働者に
A.通常の労働者と同視すべき者
同じ
全ての期間において同じ
定めなし※
B.職務と人材活用のしくみが同じ者
同じ
一定期間は同じ
―――
C.職務が同じ者
同じ
異なる
―――
D.職務も異なる者
異なる
異なる
―――
※有期契約が反復して更新され、実質的に見て期間の定めのない契約と認められるものを含みます。

主な改正内容のポイント                                             ※下記の改正内容はすべて平成20年4月1日からの実施となります。

<@雇い入れ時の労働条件に関する文書交付の義務化>
現行
◎労働基準法で書面による交付を義務付けられている以外の条件(昇給、退職金、賞与、安全衛生、教育訓練など)については、書面を交付して明示する ように努めるものとされています(努力義務)



平成20年4月1日以降
◎労働基準法の義務に加え、昇給、退職金、賞与の有無について書面交付による明示が義務付けられます。(違反した場合には10万円の過料)
◎安全衛生、教育訓練などは引き続き努力義務となります。
◎待遇を決定する際に考慮した事項の説明も義務化されます。

<A通常の労働者と同視すべき短時間労働者に対する差別の禁止、B短時間労働者(Aの労働者を除く)への均等待遇の努力義務>

⇒賃金、教育訓練、福利厚生などについて、短時間労働者の働きかたに見合った待遇が行われるためのルールが明確化されます。
短時間労働者の区分
(上記の表参照)
賃金
教育訓練
福利厚生
職務に関連する賃金(基本給、賞与、役職手当など) 左記以外の賃金(退職金、通勤手当、家族手当など) 職務遂行に必要な能力をつけさせるための教育訓練 左記以外のもの(ステップアップを目的とするもの) 健康の維持や業務を円滑に行うための施設の利用 左記以外のもの(弔慰金の支給、社宅の貸与など)
区分Aの者
区分Bの者
――
――
区分Cの者
――
――
区分Dの者
――
――

◎…短時間労働者であることによる差別的取り扱いは禁止 ○…実施する義務や配慮する義務あり
◆…同一の方法で決定する努力義務あり △…職務の内容や成果、能力、経験などを考慮する努力義務あり

<C短時間労働者から通常の労働者への転換を推進するための措置の義務化>

◎いったん短時間労働者として就業すると、その者の希望に関わらず働きかたが固定してしまい、正社員などへの登用が難しいことが多いため、事業主は短時間労働者が通常の労働者(正社員など)へ転換できるための措置を採らなければならなくなります。

【 転換を推進する措置の例 】
 ●新たに正社員を募集する場合には、社内の短時間労働者に対して募集に関する情報を周知する。
 ●社内公募として、短時間労働者に対して正社員のポストに応募する機会を与える。
 ●一定の資格を有する短時間労働者を対象とした、正社員登用のための試験制度を設ける。     など

※詳細につきましては、当事務所までご連絡ください。


| 戻る |

Copyright(C) 1998-2007 CommunicationScience Co.,Ltd All Rights Reserved.