2009年問題に対処する上での注意点
平成21年1月25日 発行
製造業を中心とする「派遣切り」や非正規従業員の雇い止めが社会的な問題になっている中、2009年問題に対する関心が低くなっていますが、派遣労働者を1人でも受け入れている会社では派遣可能期間にも注意を払っておかなければなりません。今月号では2009年問題に対処する上での注意点を解説します。

2009年問題とは?

 2007年2月まで、物の製造業務で派遣労働者を受け入れられる期間は最長1年でした。しかし、派遣法の改正により2007年3月からは一定の手続きをふめば最長3年間派遣労働者を受け入れられるようになりました。当時は偽装請負が問題になっていたこともあり、請負から派遣に切り替えた企業が多く、これらの企業にとって3年の派遣可能期間が満了するのが2009年3月以降であり、それ以降継続して派遣労働者を受け入れることができなくなります。これを2009年問題と呼んでいます。

物の製造業務について、2004年3月1日より労働者派遣事業を解禁
→ 物の製造業務の派遣可能期間は、当初1年  →  2007年3月1日より最長3年

2006年頃、物の製造業務の請負等から労働者派遣へ切替えが進む
→ 2009年以降に最長3年の派遣可能期間が満了  →  2009年問題

2009年問題に対する基本的な考え方

労働者派遣は、臨時的・一時的な労働力需給調整の仕組み
派遣可能期間満了後もその業務の処理が必要である場合は、基本的には指揮命令が必要な場合は直接雇用に、指揮命令が必要でない場合は請負で対応するべき
直接雇用または請負は、いわゆるクーリング期間(3カ月)経過後、再度の労働者派遣の受入れを予定することなく適切に行われるべき

法違反となるケース(是正指導の対象)

@ 派遣先で派遣労働者を直接雇用して対応する場合
 派遣先が派遣労働者を直接雇用した後に、再度派遣元がその派遣労働者を雇い入れて派遣先で就業させることにつき、
事前に派遣元と派遣先との間で合意している場合 または 事前に派遣元が派遣労働者に説明している場合
 派遣先が派遣労働者を直接雇用している期間中も、派遣元と派遣労働者の間に支配従属関係が認められるため労働者供給事業にあたります。(派遣労働者が自由な意思で派遣先と雇用契約を結ぶ場合を除きます)

⇒ 労働者供給事業を「業として」行う場合は職業安定法44条違反として是正指導の対象
※「業として」行うとは、一定の目的をもって同種の行為を反復継続的に遂行することですが、一回限りの行為であったとしても反復継続の意思をもって行えば事業性があるとされます。
A 請負で対応する場合
 「労働者派遣事業と請負により行われる事業との区分基準」(昭和61年労働省告示第37号)に照らし、適正な請負事業として実施されていれば問題はありませんが、いわゆる偽装請負になっている場合は労働者派遣事業にあたり、労働者派遣法に違反することになります。

派遣法の趣旨から適切な対応を求められるケース(助言の対象)

 派遣先で恒常的に行われている同一業務で、業務の取扱状況に何ら事情の変化がないにもかかわらず、労働者派遣と請負または直接雇用を繰り返したり繰り返そうとする場合は、労働者派遣法の趣旨に反するため助言の対象とされます。

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