退職後の保険関係(国民健康保険編)
平成22年5月25日 発行
会社を退職すると、会社の社会保険を喪失します。退職した後の社会保険の取り扱いについては、人事総務担当者が退職者によく聞かれる内容です。今月号では、退職後の社会保険関係のうち、国民健康保険について解説します。

1.退職後の健康保険の選択肢

 退職すると、退職日の翌日に社会保険の資格を喪失します。
(健康保険の被保険者証を使うことができなくなります。)
そのため右の3つのパターンから本人が選んで加入することになります。
 なお、退職日の翌日に再就職をする場合には、再就職先で社会保険に加入するため右の選択肢を考える必要はありません。
@ 健康保険の任意継続被保険者になる
A 配偶者や子、父母の被扶養者になる
B 国民健康保険の被保険者になる

2.国民健康保険とは?

 で選択肢の一つとしてあげた「国民健康保険」とはどのようなものなのでしょうか。
 国民健康保険は、健康保険の被保険者や被扶養者以外の人(自営業など)に対して、病気やケガ、出産、死亡について必要な保険給付を行うものです。
 国民健康保険は原則として市区町村が運営し、市区町村ごとにその保険給付の内容が異なります。原則として傷病手当金と出産手当金は支給されませんが、それ以外は健康保険の保険給付とほぼ同様です。

 また、被扶養者という考え方がないので、
今まで健康保険の被扶養者だった人も国民健康保険の被保険者になります。(右の例を参照してください)
健康保険の被扶養者は、保険料がかからないので、保険料はAさん1人分のみ
全員が被保険者となるので、保険料は3人分必要

3.国民健康保険の加入者と加入方法

 右の@〜B以外の人は原則として国民健康保険の被保険者となります。

 加入の手続きは、退職日の翌日から14日以内に、被保険者のいる世帯の世帯主が、住所地の市区町村の国民健康保険窓口で行う必要があります。
@健康保険の被保険者・被扶養者
A75歳以上の方(後期高齢者医療制度の加入者)
B生活保護の受給者

4.国民健康保険料はいくらになりますか?

 国民健康保険料(以下「国保料」といいます。)は、各市区町村によって保険料の金額や計算方法、納付時期が異なります。
 参考として、東京都豊島区の国保料計算の例をご紹介します。

[平成22年度の国保料(東京都豊島区の場合)]
所得割
被保険者全員の平成22年度住民税額 × 0.8
+
均等割
31,200円 × 被保険者数
= 基礎分(医療分)保険料(A)
(最高50万円)

所得割
被保険者全員の平成22年度住民税額 × 0.23
+
均等割
8,700円 × 被保険者数
= 後期高齢者支援金分保険料(B)
(最高13万円)

所得割
40〜64歳の被保険者の平成22年度住民税額 × 0.19
+
均等割
12,000円 × 40〜64歳の被保険者数
= 介護分保険料(C)
(最高10万円)

 A+B(40〜64歳の被保険者がいる場合には、さらにCを加算の額が1年間の国保料となります。(年度の途中で国民健康保険に加入・脱退した場合は、1年間の国保料の額を月割します。)
 また、国保料の支払いは、東京都豊島区では6月〜翌年3月の10回払いとなっており、上記の例で計算した額の10分の1の金額を6月〜翌年3月の各月末に納付します。
 国保料は、所得割(各世帯の収入に応じて計算)、資産割(各世帯の固定資産に応じて計算)、被保険者均等割(被保険者の人数に応じて計算)、世帯別均等割(世帯ごとに計算)の4つを組み合わせて計算する市区町村がほとんどです。なお、国保料の納付義務は被保険者の住む世帯の世帯主にあります。
(各市区町村の国保料の金額や納付時期につきましては、各市区町村のホームページをご覧ください。)

平成22年4月から国保料軽減の特例が行われています。

@雇用保険の特定受給資格者(倒産・解雇などによる離職)
A雇用保険の特定理由離職者(雇止めなどによる離職)
として失業等給付を受ける人市区町村に申請することで、この特例の対象となります。

 対象になると、前年の給与所得をその10分の3とみなして国保料計算を行います。軽減期間は離職の翌日から翌年度末までの期間です。

なお、この特例が始まる前1年以内(平成21年3月31日以降)に離職した人は、平成22年度に限り国保料が軽減されます。

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