最低賃金に関するQ&A
平成22年10月25日 発行

平成22年度も地域別最低賃金の時間額が、47都道府県で10円から30円引き上げられました。例えば、1都3県の最低賃金は、東京821円、神奈川818円、千葉744円、埼玉750円となり、いずれも10月中に発効されています。
 今月号では最低賃金に関して質問の多い事項をQ&A形式で解説します。

Q.1  最低賃金に満たない賃金しか支払っていない場合、会社に はどのような罰則があるのでしょうか。
A.  会社が労働者に最低賃金未満の賃金しか支払っていない場合は、会社はその差額を支払わなくてはなりません。
 また、@地域別最低賃金額以上の賃金額を支払わない場合は、最低賃金法に罰則(50万円以下の罰金)が定められており、A特定(産業別)最低賃金額以上の賃金額を支払わない場合は、労働基準法の賃金の全額払い違反となり、罰則(30万円以下の罰金)が定められています。
 なお、仮に最低賃金額より低い賃金を労働者、会社双方の合意の上で定めても、それは法律によって無効とされ、最低賃金額と同様の定めをしたものとみなされます。
 ただし、A特定(産業別)最低賃金は、次の労働者には適用されません。

【特定(産業別)最低賃金が適用されない労働者】
・18歳未満または65歳以上の労働者
・雇入れ後一定期間未満の技能習得中の労働者
・その他当該産業に特有の軽易な業務に従事する労働者

Q.2  最低賃金を満たしているかどうかチェックする時は、どの手当まで含めるべきなのでしょうか。
A.  最低賃金の対象となるのは毎月支払われる基本的な賃金だけです。最低賃金を計算する場合には、実際に支払われる賃金から次の手当などを除いたものが対象となります。

【最低賃金の対象とならない賃金】
@ 臨時に支払われる賃金(結婚手当など)
A 1カ月を超える期間ごとに支払われる賃金(賞与など)
B 所定労働時間を超える時間の労働に対して支払われる賃金(時間外勤務手当など)
C 所定労働日以外の労働に対して支払われる賃金(休日出勤手当など)
D 午後10時から午前5時までの間の労働に対して支払われる賃金のうち、通常の労働時間の賃金の計算額を超える部分(深夜勤務手当など)
E 精皆勤手当、通勤手当および家族手当

この太字の部分が最低賃金の対象です。
Q.3  派遣労働者の最低賃金は派遣元と派遣先のどちらの地域別最低賃金が適用されるのでしょうか。
A.  派遣労働者には、派遣元事業場の所在地にかかわらず、派遣先の最低賃金が適用されます。そのため、派遣会社と派遣労働者は派遣先地域の最低賃金を把握しておく必要があります。

派遣元 東京都
最低賃金
821円(時間額)
派遣
派遣先 埼玉県
最低賃金
750円(時間額)
派遣先である埼玉県の最低賃金750円(時間額)が適用。

Q.4  最低賃金のチェック方法を具体的に教えて下さい。
A.  最低賃金のチェック方法はそれぞれ次の通りです。
最低賃金のチェック方法
時間給の場合 時間給と最低賃金を比較
(時間給額≧最低賃金)
日給の場合 日給を時間給に換算し最低賃金と比較
(日給÷1日の所定労働時間≧最低賃金)
週給、月給の場合 週給、月給を時間給に換算し最低賃金と比較
歩合給の場合 歩合給とその他の賃金をそれぞれ1時間当たりの賃金に換算した額の合計を最低賃金と比較
※除外される賃金はQ.2をご覧ください。

日給制と月給制を組み合わせているケースの計算例

前提
・基本給(日給) 6,000円
・当月の労働日数 20日
・職務手当 30,000円
・通勤手当 10,000円

合計 160,000円
○年間労働日数 250日
○所定労働時間 8時間
○東京都最低賃金 821円

@ 手当の合計から最低賃金の対象とならない通勤手当を除きます。
40,000円−10,000円=30,000円
A 基本給(日給制)と手当(月給制)のそれぞれを時間額に換算し、合計すると、
◇基本給の時間換算額
6,000円÷8時間/日=750円/時間
◇手当の時間換算額
(30,000円×12カ月)÷(250日×8時間)=180円/時間
◇合計の時間換算額
  750円+180円=930円>821円
となり、東京都の最低賃金額を上回ることになります。

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