継続雇用制度の対象者基準の特例が終了
平成23年2月25日 発行

現在、中小企業では定年後の継続雇用制度の対象者の基準について、労使協定を結ばずに就業規則だけで規定しているところが少なくありません。しかし、これは話し合いが整わなかった場合の特例措置であり、労働者数300人以下の会社でもこの特例措置は平成23年3月31日で終了となります。そのため、今までどおり継続雇用制度の対象者に基準を設ける場合は、平成23年3月31日までに労使協定を結ぶ必要があります。今月号では、継続雇用制度の労使協定について解説します。

1.高年齢者雇用安定法上の会社の義務

 高年齢者雇用安定法は、65歳未満の定年制度がある会社に、右のいずれかの措置の導入を義務付けています。(定年が60歳を下回ることはできません。)

 Aの継続雇用制度とは、「再雇用制度」(定年年齢に達した者をいったん退職させ、その後、引き続き再雇用する制度)または「勤務延長制度」(定年年齢に達した者を退職させることなく、一定の期間引き続き雇用する制度)をいい、希望者全員を対象とすることを原則としています。

 しかし、対象となる高年齢者の基準を定めた場合は、その基準に基づく制度を導入することも認められています。
@定年の引上げ※
A継続雇用制度の導入
B定年制度の廃止

※定年の引上げを行う場合は、平成25年3月31日までは64歳以上、平成25年4月1日からは65歳以上を定年と定めなければなりません。

2.中小企業の特例の経過措置の終了

 継続雇用制度の対象者の基準を定めるには、労使協定(労働者の過半数で組織する労働組合がある場合はその組合と、ない場合は労働者の過半数を代表する者と協定を結びます)を結ばなければなりません。しかし、努力したにも関わらず話し合いがまとまらず、労使協定を結ぶことができない場合には、中小企業(常時雇用労働者数300人以下の企業)に限り、平成23年3月31日までは就業規則等で継続雇用制度の対象となる基準を定めることができる特例があります。

 しかし、平成23年4月1日以降、継続雇用制度で基準を設ける場合には、規模にかかわらず全ての会社で労使協定の締結が必要となります。平成23年4月1日以降も労使協定を結べない場合労使協定がないことになり希望者全員を継続雇用せざるを得ないことになります。

3.Q&A

Q1.  労使協定で設ける継続雇用制度の基準に制限がありますか?
A1.  基準の内容については原則として労使に委ねられていますが、次の2点に留意して策定されたものが望ましいとされています。
@ 意欲、能力等をできる限り具体的に測るものであること(具体性
A 必要とされる能力等が客観的に示されており、該当可能性を予見することができるものであること(客観性

基準の例
 ・引き続き勤務することを希望している者
 ・過去3年間の出勤率が○割以上の者
 ・直近の健康診断の結果、業務遂行に問題がないこと
など

Q2.  今まで就業規則で、継続雇用制度の基準を設けてきましたが、定年を迎える社員がしばらく出ない予定です。労使協定の締結は必要ですか?
A2.  定年を迎える社員の有無に関らず、労使協定の締結が必要となります。
Q3.  労使協定は、営業所ごとに結ぶ必要がありますか?
A3.  複数の営業所がある会社では、営業所ごとに労使協定を結ぶことが原則となります。
 しかし、会社単位で継続雇用制度を運用しており、かつ、各営業所ごとの過半数を代表する者が内容に同意している場合は、会社単位で労使協定を結ぶことも可能です。
 なお、この労使協定は労働基準監督署に届け出る必要はありません。

Q4.  労使で話し合って基準を定め、協定を結んだのですが、要件が厳しく、対象者の半数しか雇用できなかったとしても問題はありませんか?
A4.  意欲と能力があり、引き続き雇用を希望している多くの高年齢者が、継続雇用されることが望ましいのですが、労使間で話し合って定めた基準に基づくものである限り、結果的にその対象者が少なかったとしても、違法となるものではありません。

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