試用期間を設けるときの注意点
平成23年4月25日 発行

試用期間とは、社員を採用する場合に、その人の適性や能力を判断するために会社が設ける採用当初の一定期間をいいます。試用期間を設けるかどうかは法律で規制されるものではなく、雇用契約の内容によって取り扱いが異なります。今月号では試用期間を設けるときの注意点を解説します。

1.試用期間を設けるときに必要な手続

@試用期間中の労働条件を就業規則に定めておく。
A雇用契約締結時に試用期間の有無、長さ、試用期間中の労働条件を明示しておく。
B試用期間中の解雇、試用期間満了後の本採用拒否について、具体的な事由を明示しておく。

なお、試用期間中でも雇用していることに変わりはないため、以下の取り扱いが必要です。
◆試用期間は、年次有給休暇を与える条件となる勤続期間に通算され、労働保険や社会保険への加入も必要です。
◆例えば試用期間中は時給制とするなど、正社員と異なる扱いをする場合は、賃金規程等に定めが必要です。

2.試用期間の長さ

 現在、試用期間の長さについて法的な規制はありません。ただし、通常は2〜6カ月とする企業が多く、一般的な職種・業務内容であれば、長くても6カ月程度までに設定することが妥当とされています。試用期間中は本採用後と比べて社員としての立場が不安定なため、必要以上に長い試用期間を設けるにはそれ相応の理由や合理性が必要です。

(独)労働政策研究・研修機構の試用期間に関する調査
@ 試用期間を定めている企業の割合 73.2%
A @のうち、試用期間を3カ月以内に設定している企業 86.5%
B @のうち試用期間を6カ月以内に設定している企業 99.1%
資料出所 (独)労働政策研究・研修機構「従業員関係の枠組みと採用・退職に関する実態調査」(平成16年)
(調査対象)単純無作為抽出した全国の従業員規模10人以上の企業1万社(有効回答2,765社)

3.試用期間中の解雇

⇒ 試用期間中の解雇や試用期間満了後の本採用拒否は、通常の解雇に比べて認められやすいとされています。ただし、試用期間中であれば無制限に解雇が認められるわけではありません。

★解雇が認められる場合⇒社会通念等と照らし合わせて客観的に合理的であることが必要。

例えば勤務不良の場合、遅刻・欠勤が多いことを注意・指導せずに、単に「試用期間中であるから」というだけで解雇をした場合には、解雇が無効とされる可能性が高くなります。
新卒採用の場合、教育訓練を行うなど、会社が適性や能力不足を補う(伸ばす)ための配慮を行ったかどうかが合理性の重要な判断基準になります。

4.本採用拒否を通知するタイミング

⇒ 入社日から14日(2週間)を超えた場合は、試用期間中であっても解雇の手続き(右の図の@〜Bのうち、いずれかの方法)が必要です。

【具体例】4/1入社で試用期間が3カ月の社員の場合
5/31までに本人に本採用しない旨の通知をし、試用期間が満了する6/30で雇用契約を解除する。

※予告期間が30日に満たない場合は、その満たない日数分の解雇予告手当の支払いが必要です。
※試用期間満了と同時に本採用拒否の通知をする場合は、30日分以上の解雇予告手当の支払いが必要です。
【入社日から14日(2週間)以内の本採用拒否】

労働基準法上、解雇予告を行う義務はない。

【入社日から14日(2週間)を超えた日以降の本採用拒否】
(次の@〜Bのうちいずれかの方法をとる)

@30日以上前の解雇予告
A平均賃金の30日分以上の解雇予告手当の支払い
B上記@およびAの併用

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