休職中の社会保険料の取り扱いと留意点
平成23年8月25日 発行

社員が育児休業や私傷病などで休職する場合、賃金だけでなく社会保険料の取り扱いに関しても様々な問題が発生します。一概に「休職」と言っても、保険料が免除されないケースと免除されるケースがあります。今月号では、休職中の社会保険料の取り扱いに焦点を当て、制度の概要と留意点を解説します。

1.休職中の社会保険料の取り扱いについて
 @ 健康保険料・厚生年金保険料の取り扱い

 休職中であっても被保険者資格は喪失しないため、保険料を支払わなければなりません。
ただし、育児休業期間中は、健康保険組合や年金事務所に申請を行うことで、最長で子どもの3歳の誕生日が属する月の前月まで被保険者・会社共に保険料が免除されます。
 
休職事由 保険料支払いの義務 備考
私傷病(病気、ケガ等) 欠勤控除等により賃金の支払いがなくても、被保険者・会社共に保険料を支払う必要があります。
産前産後休業
介護休業
育児休業 × 「健康保険組合」や「年金事務所」に申請することで、被保険者・会社共に保険料が免除されます。
 
 A 雇用保険料についての取り扱い

 雇用保険料は、賃金の総支給額に雇用保険料率をかけて算出します。雇用保険料の支払い義務の判断基準は、健康保険料・厚生年金保険料とは異なり「休職事由」ではなく「賃金支払いの有無」によります。そのため、私傷病による休職や産前産後休業であっても賃金の支払いがなければ被保険者・会社共に雇用保険料を支払う必要はありません。

2.休職中の社会保険料に関する留意点
 @ 健康保険料・厚生年金保険料の留意点

 会社は社員が負担するべき保険料まで負担する義務はありません。そのため、社員に賃金の支払いがない場合の保険料徴収方法について事前に取り決めをしておく必要があります。特に出産に伴う休業の場合は、保険料の支払い義務がある期間と免除される期間がありますので、「休職取扱通知書」等を発行し、誤解が生じないように社員に説明しておくことが必要です。
 
休職取扱通知書(参考例)
記載内容 ・休職の期間        
  ・休職期間中の 賃  金
社会保険料
住民税等
の取り扱い
  ・休職後の労働条件等
 休職期間中の社会保険料の取り扱いは、保険料を現金で徴収するのか、会社指定口座への振り込みにするのかを明確にする必要があります。
 また、社会保険料の他にも住民税や社員が加入している生命保険、旅行積立金などの徴収方法についても、休職取扱通知書に取り扱い方法を明記することが重要です。
 
 A 雇用保険料の留意点

 休職期間中で賃金の支払いがない場合、雇用保険料は発生しませんが、雇用保険の被保険者資格は喪失しません。そのため、たとえ休職期間中に退職した場合でも、条件を満たすことができれば雇用保険の失業給付を受けることができます。
 退職日以前2年間に加え、疾病・負傷・出産等により引き続き30日以上賃金の支払いを受けることのできなかった日数(2年を限度)を加算した最長4年間の算定対象期間中に賃金支払い基礎日数11日以上の被保険者期間が12ヵ月(特定受給資格者、特定理由離職者は6ヵ月)以上あること。
12ヵ月(6ヵ月)以上の被保険者期間

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