60歳代前半の年金、雇用継続給付金の支給と調整について
平成23年11月25日 発行

社員が60歳に達すると、公的年金および雇用継続給付金(雇用保険)との調整を踏まえて賃金や賞与を決定することがあります。今月号では、60歳代前半の公的年金と雇用継続給付金に焦点を当て、支給条件と調整のしくみについて解説します。

1.公的年金(特別支給の老齢厚生年金)
厚生年金保険の加入期間が1年以上あるなど、一定の条件を満たしている場合に60歳から65歳になるまで「特別支給の老齢厚生年金」が支給されます。年金額は「報酬比例部分」と「定額部分」とに分かれており、生年月日に応じて支給開始年齢が異なります。
生年月日(女性は5年遅れ) 支給開始年齢
報酬比例部分 定額部分
昭和20年4月2日〜昭和22年4月1日 60歳 63歳
昭和22年4月2日〜昭和24年4月1日 64歳
昭和24年4月2日〜昭和28年4月1日 なし
昭和28年4月2日〜昭和30年4月1日 61歳
昭和30年4月2日〜昭和32年4月1日 62歳
昭和32年4月2日〜昭和34年4月1日 63歳
昭和34年4月2日〜昭和36年4月1日 64歳
昭和36年4月2日〜 なし
【支 給 条 件】
以下の全てを満たすことが必要です。
厚生年金の被保険者期間や国民年金の保険料納付済期間および保険料免除期間を合算して25年以上あること
厚生年金の被保険者期間が1年以上あること
60歳以上65歳未満であること
 
2.在職老齢年金
特別支給の老齢厚生年金を受給している人が厚生年金の被保険者である場合、賃金や賞与の額に応じて年金の一部が支給されなくなります。これを在職老齢年金といいます。具体的な調整は下図の通りです。なお、基本月額と総報酬月額相当額の合計額が28万円以下である場合は、在職老齢年金としての調整は行われません。
基本月額 = 年金月額(加給年金月額は除く)

総報酬月額相当額 = (その月の標準報酬月額)
+ {(直近1年間の標準賞与額)×1/12 }
基本月額 総報酬月額相当額 支給停止となる年金の月額(調整額)
28万円以下 46万円以下 (総報酬月額相当額+基本月額-28万円)×1/2
46万円超 (46万円+基本月額-28万円)×1/2+(総報酬月額相当額-46万円)
28万円超 46万円以下 総報酬月額相当額×1/2
46万円超 (46万円×1/2)+(総報酬月額相当額-46万円)
*28万円および46万円は平成24年3月まで適用される金額です。
 
3.雇用継続給付金(雇用保険)
60歳から65歳になるまでの間において、60歳到達時に比べて賃金が低下した場合、雇用保険から給付(雇用継続給付金) を受けることができます。
ただし、雇用継続給付金を受けることによって、特別支給の老齢厚生年金は更にその一部が支給停止されます。
【支 給 条 件】
以下の全てを満たすことが必要です。
雇用保険の被保険者期間が5年以上であること
60歳到達時に比べ、賃金額が75%未満に低下していること
受給対象月の賃金が344,209円未満であること
60歳以上65歳未満の一般被保険者であること
60歳到達時と比べた際の賃金低下率 雇用継続給付金の支給額 支給停止となる年金額
61%以下 賃金額×15% 標準報酬月額×6%
61%超75%未満 賃金額×低下率に応じて15%から逓減した率 標準報酬月額×低下率に応じて6%から逓減した率
*344,209円は、平成24年7月まで適用される金額です。

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