TOP > 労働者派遣法に関するQ&A  (労務情報NO.213)

労働者派遣法に関するQ&A

平成24年1月25日  発行

昨年の11月に、労働者派遣法改正案について、民主、自民、公明の3党が「製造業派遣」と「登録型派遣」の原則禁止を削除することで大筋合意したことは記憶に新しいですが、派遣労働者に対する法的規制を強化しようとする動きは依然として変わりません。
このような経緯から、派遣会社に対する行政指導の件数は年々増加しており、派遣法の正しい法律知識を身につけた上で派遣業務を運営管理することが求められています。今月号は労働者派遣法についてよくあるご質問をQ&A方式で解説します。

【Q1】派遣労働者の受入れ期間に制限はあるの?

【A1】労働者派遣の業務内容によって、下記のとおり受入れ期間に制限があるものと無いものがあります。

業務の種類 期間の制限
以下に示す2~5以外の自由化業務 原則1年、最長3年まで(※1)
ソフトウエア開発等の政令で定める業務(いわゆる「26業務」 制限なし
いわゆる3年以内の「有期プロジェクト」業務 プロジェクト期限内は制限なし
日数限定業務(※2) 制限なし
産前産後休業、育児休業等を取得する労働者の業務、介護休業等を取得する労働者の業務 育児・介護休業者の復職まで

※1  1年を超える派遣を受けようとする場合は、派遣先の労働者の過半数で組織する労働組合等に対し、派遣を受けようとする業務、期間及び開始予定時期を通知し、十分な考慮期間を設けた上で意見聴取を行うことが必要です。

※2  その業務が1カ月間に行われる日数が、派遣先の通常の労働者の所定労働日数の半分以下かつ10日以下の業務が該当 します。

【Q3】震災などの天災を理由に派遣契約の中途解約は可能か?

【A3】派遣契約は期間の定めがある契約ですので、「震災などの天災が起こった場合に中途解約できる」旨の取り決めがなされていない場合、一方的に派遣契約を解約することはできません。

派遣先が一方的に契約を解約した場合、契約の残存期間の派遣料相当分及び派遣元が派遣労働者に支払う給与相当分を損害賠償として請求されるリスクがありますので、注意が必要です。

また、契約書に上述の解約条項がある場合であっても、派遣先は下記の措置を講じる必要があります

  • あらかじめ相当の猶予期間をもって派遣会社に解除の申入れを行い、派遣元の合意を得ること
  • 派遣労働者の新たな就業機会の確保を図ること
  • 2の措置ができない場合、少なくとも中途解約により派遣会社に生じた損害の賠償を行うこと
  • 派遣元と協議し、適切な善後処理方策を講ずること
  • 中途解約を行った理由を派遣元に対し明らかにすること

【Q5】派遣先が派遣労働者の事前面接を行うことは可能か?

【A5】派遣先が派遣労働者を受け入れる際に、事前に面接を行ったり、履歴書を送付させたりするなど派遣労働者を特定する行為は、紹介予定派遣の場合を除き、禁止されています(努力義務)

また、労働者を選別するための行為だけでなく、「若い男性に限る」など、派遣労働者のスキルなどとは関係ない条件を提示することも派遣労働者を特定する行為として禁止されています。

【Q2】派遣先が行う雇用契約の申し込み義務って何?

【A2】派遣受入期間の制限のある業務(A1の1)について、派遣受入期間の制限を超えた日(以下、抵触日という)以降も派遣労働者を使用する場合は、派遣先での直接雇用を希望する派遣労働者に対し、直接雇用契約を申し込まなければなりません。

また、派遣受入期間中に派遣労働者が交代した場合でも、抵触日以降は、個々の労働者の派遣期間を問わず、抵触日の直前に受け入れていた派遣労働者に対して、雇用契約の申込みをする必要があります。

一方、派遣受入期間の制限のない業務(A1の2~5)について、同一の業務に同一の派遣労働者を3年を超えて受け入れており、その同一の業務に新たに労働者を雇用しようとする場合には、派遣先はまずその派遣労働者に雇用契約の申し込みを行わなければなりません。

ただし、3年の間に派遣受入を停止している期間が3ヵ月以内の場合は、継続して派遣を受入れていると判断されますが、派遣受入を停止している期間が3ヵ月を超えている場合は、停止後の受入れは新たな派遣の受入れと判断されますので、派遣期間には通算されません(クーリング期間)

【Q4】紹介予定派遣って何?

【A4】紹介予定派遣とは、平成12年12月から実施が認められるようになった制度で、派遣労働者と派遣先に対し、職業紹介を行うことを予定して行う派遣のことをいいます。

派遣期間は6ヵ月を超えることはできませんが、派遣先は労働者の能力や適性を見極めた上で、その派遣労働者を直接雇用するか否かを判断することができますので、雇用のミスマッチを回避することができます。