労働者派遣法の改正について

平成24年6月25日  発行

平成22年4月の通常国会に提出され、約2年もの間、継続審議となっていた「労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の就業条件の整備等に関する法律」(以下、「労働者派遣法」といいます)の改正案が成立し、4月6日に公布されました。今月号では労働者派遣法の主な改正内容について解説します。

1.主な改正の内容

(1)事業規制の強化に関するもの
1.短期派遣の原則禁止

日雇い派遣や30日以内の短期派遣が原則として禁止されます。
ただし、「通訳、翻訳の業務」など、一般的に派遣期間が短期となる一部の業務は例外として除外されます。(具体的な除外業務は、今後リスト化されます。)

※当初の法案にあった「登録型派遣や製造業派遣の原則禁止」は削除されました。
※禁止となる短期派遣の期間が当初の「2ヶ月」から「30日以内」に短縮されました。

2.グループ企業内派遣の8割規制

派遣会社が、同じグループ内の企業に派遣できる人数の割合を事業年度単位で8割以下とすることが義務付けられます。

※派遣人数の割合が8割以上であるか否かの報告義務も課されることになり、未達成企業は指導、勧告、許可取り消しの対象となります。

3.離職した労働者の受け入れ禁止

派遣先企業が、自社を退職して1年以内の労働者を派遣労働者として受け入れることができなくなります。(定年退職者など一部の者は除かれます)

(2)派遣労働者の無期雇用化や待遇の改善に関するもの
1.無期雇用への転換推進

派遣元企業は、一定の有期雇用の派遣労働者を期間の定めのない雇用に転換する措置を取る努力義務が課されます。

2.派遣労働者の賃金の均衡

派遣労働者の賃金を決定する際に、同種の業務を行う派遣先の労働者との均衡を考慮する必要があります。

3.マージン率の情報公開義務

派遣元企業は、派遣料金と派遣労働者の賃金の差額の派遣料金における割合(マージン率)を公開することが義務付けられます。

4.雇い入れ時の派遣料金額の明示義務

派遣元企業は、労働者を派遣労働者として雇い入れる際に、1人当たりの派遣料金の金額を明示することが義務付けられます。

5.中途解除における費用負担の義務

派遣先企業の都合により派遣契約を中途解除することになった場合は、派遣先企業が新たな就業機会の確保や休業手当等の費用負担を行うことが義務付けられます。

(3)違法派遣に対する迅速・的確な対処に関するもの
違法派遣の派遣先直接雇用申込みみなし

派遣先企業が、違法派遣であると知りながら派遣労働者を受け入れていた場合には、その労働者を直接雇用する申し込みをしたものとみなされます。(直接雇用する義務が生じます)

    【違法派遣とは】
  • 派遣が禁止されている業務に従事させること
  • 無許可・無届の派遣元企業から受け入れること
  • 派遣の受け入れが可能な期間を超えて受け入れること
  • いわゆる「偽装派遣」により受け入れること

2.改正法の施行日

    【施行期日】
  • 改正労働者派遣法は、上記(3)「違法派遣の派遣先直接雇用申込みみなし」を除いて、平成24年10月に施行される予定です。
    (「公布の日から起算して6ヶ月を超えない範囲内において政令で定める日」)
  • 違法派遣の派遣先直接雇用申込みみなし制度については、平成27年10月に施行される予定です。
    (「この法律の施行の日から起算して3年を経過した日」)