パートタイマーの雇用管理上のポイント

平成25年3月25日  発行

パートタイマー(正社員より短い日数や時間で勤務する労働者)は多くの企業で活用されていますが、雇用管理については正社員と比べて軽視されがちで、法令に沿った労務管理が行われていないケースも多々見受けられます。今月号ではパートタイマーの雇用管理上のポイントについてQ&A方式で解説します。

【Q1】パートタイマーの労働条件の提示は口頭による説明でもよいか?

小規模の事業所などでは、パートタイマーを雇用する場合に労働条件を簡略的に口頭で説明、決定してしまうことがありますが、パートタイマーにも法律で労働条件を明確に明示化することが義務付けられています。 

さらに重要な内容は書面にして渡す必要があるため、予め「労働条件通知書」のフォーマットを作成しておき、時給単価など人によって異なる部分を変えて使用できるようにしておくと良いでしょう。

【労働条件通知書の記載内容】

  • ○労働契約期間
  • ○契約更新の有無とその判断基準(平成25年4月1日より追加)
  • ○就業場所
  • ○従事する業務内容
  • ○始業・終業時刻および所定外労働時間の有無
  • ○休憩時間、休日、休暇、交代制勤務に関すること
  • ○賃金の額、計算方法、支払い方法、締日、支給日
  • ○退職に関すること
  • ○昇給の有無
  • ○退職手当の有無
  • ○賞与の有無

★「契約更新の有無」の具体例は下記のとおりです。

  • ・自動的に更新する
  • ・更新する場合があり得る
  • ・契約の更新はしない   など

★「判断の基準」の具体例は下記のとおりです。

  • ・契約期間満了時の業務量により判断する
  • ・労働者の勤務成績、態度により判断する
  • ・労働者の能力により判断する
  • ・会社の経営状況により判断する
  • ・従事している業務の進捗状況により判断する   など

【Q2】パートタイマーに対する不合理な労働条件の禁止はあるか?

前号(NO.226)3.記載の平成25年4月1日施行の改正労働契約法において、不合理な労働条件が禁止となります。

不合理な労働条件か否かは、①職務内容、②当該職務内容及び配置変更の範囲、③その他の事情、を考慮し個々の労働条件ごとに判断されます。

特に通勤手当、食堂利用、安全管理面等について労働条件が相違する場合、特別な理由がない限り禁止となりますので注意が必要です。

【Q3】何回か契約更新したパートタイマーを今回の契約限りとしたいが問題はあるか?

3か月や半年などの契約期間を定めた契約(有期契約)を繰り返して更新し、何年も雇用している場合、「期間の定めのない契約」と変わらないとみなされ、契約期間満了による雇用終了(一般的に「雇止め」といいます)が認められないことがあります。

特に、恒常的な業務をさせていたり、形だけの手続きで更新されている場合などには、雇止めが認められない傾向にあります。その場合は通常の「解雇」と同じ扱いになり、客観的に合理的な解雇理由が求められることになります。

【雇止めが認められる判断基準の傾向(裁判例より)】

①業務内容

従事する業務が臨時的な業務ほど、雇止めが認められやすい傾向にあります。

②契約上の地位

契約上の地位が臨時的なものほど、雇い止めが認められやすい傾向にあります。逆に労働条件が正社員に近いほど認められない可能性が高くなります。

③当事者の主観的態様

採用時の説明において、会社側が継続して雇用することを期待させるような言動をしていた場合には、雇止めが認められない場合があります。

④更新の手続き・実態

契約更新の回数が多い、勤続年数が長い、更新手続きが自動更新や形だけの手続きである場合、雇止めが認められない傾向があります。

⑤その他の労働者の更新状況

同様の地位にある他の労働者について、過去に雇止めの例がある場合は認められる傾向にあります。

【Q4】パートタイマーに残業を指示してもよいか?

就業規則や個々の労働契約の中で残業を命じることがある旨の規定があれば、残業を命じることは可能です。

ただし、パートタイマーの事情を十分考慮し、できるだけ残業や労働日以外の勤務の指示を行わないように努めなければならないとされています。