ストレスチェック制度の創設について

平成26年9月25日  発行

化学物質による健康被害や精神障害を原因とする労災認定件数の増加など、近年変化しつつある社会情勢や労働環境を鑑み、これまで以上に労働者の安全と健康の確保を目的とした「労働安全衛生法の一部を改正する法律」が平成26年6月25日に公布されました。

今月号では、改正された7項目のうち、労働者数50人以上の事業場に義務化されることになるストレスチェック制度に焦点を当て解説します。

1.ストレスチェック制度(平成27年12月1日に施行予定)の概要

精神障害の労災認定件数が2年連続で400件を超える(※)など職場におけるメンタル面でのトラブルがこれまで以上に問題視されている現状から、今回の改正により労働者の心理的な負担の程度を把握するための検査(ストレスチェック)の実施が事業者に義務付けられることになります。

(※) 平成22年度:308件、平成23年度:325件、平成24年度:475件、平成25年度:436件

・ ストレスチェック実施の対象となるのは、労働者数が50人以上の事業場(産業医の選任が義務付けられている事業場)です。

☞ 法人単位ではなく、事業場単位で労働者数が50人以上か否かを判断します。従って、法人全体で50人を超えていても、事業場単位で50人未満であれば、義務とはなりません。(労働者数50人未満の事業場は、当分の間努力義務)但し、大企業の支店等で50人未満であっても、実施体制が整っている等の場合は実施することが望ましいです。

・ 検査の頻度は1年に1回を想定し、今後省令で定められる予定です。(労働基準監督署への報告義務についても検討中です。)

・ 検査項目は「職業性ストレス簡易調査票」(57項目による検査)を参考とし、改めて正式に公表される予定です。

・ ストレスチェックの実施者は、医師・保健師のほか、一定の研修を受けた看護師、精神保健福祉士が予定されています。

・ 検査結果は、直接労働者に通知され、労働者の同意なく事業主に検査結果を提供することは禁止されます。

・ 検査の結果、一定の要件(今後省令で定められる予定)に該当する労働者から申し出があった場合は、医師による面接指導の実施が義務となります。なお、労働者からの申し出を理由とした不利益な取り扱いは禁止されます。

・ 面接指導の結果に基づき、医師の意見を聴き、必要に応じて就業上の措置を講ずることが義務となります。

☞ 就業場所の変更、作業の転換、労働時間の短縮、深夜労働の回数の減少等

・ 健康診断と同時にストレスチェックを実施することは可能ですが、ストレスチェックの結果は、労働者の同意なく事業者への提供が禁止されていますので、結果の取り扱いには注意が必要です。

2.ストレスチェック制度の流れ

ストレスチェック制度流れ説明図

※画像はクリックすると拡大します。