最低賃金に関するQ&A

平成27年10月25日  発行

平成27年度の地域別最低賃金の時間額が、10月から順次発効されています。47都道府県で平均18円の引き上げとなり、東京と神奈川では初の900円台となっています。(東京907円、神奈川905円)今月号では最低賃金についてQ&A形式で解説します。

【Q1】最低賃金制度とはどのようなものでしょうか。

【A1】最低賃金制度は、働くすべての人に、賃金の最低額を保障する制度です。最低賃金は最低賃金法に基づき国が賃金の最低額を定めており、会社は、その最低賃金額以上の賃金を労働者に支払わなければなりません。

【Q2】最低賃金額より低い賃金で契約した場合はどうなるのでしょうか。

【A2】最低賃金額より低い賃金を労働者、会社双方の合意の上で定めても、最低賃金法によって無効とされ、最低賃金額と同様の定めをしたものとみなされます。

【Q3】会社が最低賃金を支払っていない場合はどうなるのでしょうか。

【A3】会社が労働者に最低賃金未満の賃金しか支払っていない場合には、会社は労働者に対してその差額を支払わなくてはなりません。

地域別最低賃金額以上の賃金額を支払わない場合には、罰則(50万円以下の罰金)が定められています。

【Q4】最低賃金が適用される労働者の範囲はどのようになりますか。

【A4】地域別最低賃金は、産業や職種にかかわりなく、都道府県内の事業場で働くすべての労働者とその会社に適用されます。

(パートタイマー、アルバイト、臨時、嘱託などの雇用形態や呼称の如何を問わず、すべての労働者に適用されます)

【Q5】最低賃金額を下回る賃金で雇ってもいい場合はあるのですか。

【A5】一般の労働者より著しく労働能力が低いなどの場合に、最低賃金を一律に適用するとかえって雇用機会を狭めるおそれなどがあるため、次の労働者については、会社が都道府県労働局長の許可を受けることで個別に最低賃金の減額の特例が認められています。

1.精神又は身体の障害により著しく労働能力の低い方

2.基礎的な技能等を内容とする認定職業訓練を受けている方
のうち厚生労働省令で定める方

3.軽易な業務に従事する方

4.断続的労働に従事する方         など

【Q6】最低賃金を計算する場合、どこまでが対象となるのでしょうか。

【A6】最低賃金の対象となるのは、毎月支払われる基本的な賃金のみです。具体的には、実際に支払われる賃金から次の手当などを除いたものが対象となります。

【最低賃金の対象とならない賃金】

① 通勤手当、家族手当および精皆勤手当

② 所定労働時間を超える時間の労働に対して支払われる
賃金(時間外勤務手当など)
※固定残業代制における固定残業代もこれに該当します

③ 所定労働日以外の労働に対して支払われる賃金
(休日出勤手当など)

④ 午後10時から午前5時までの間の労働に対して支払われる
賃金のうち、通常の労働時間の賃金の計算額を超える部分
(深夜勤務手当など)

⑤ 1カ月を超える期間ごとに支払われる賃金(賞与など)

⑥ 臨時に支払われる賃金(結婚手当など)

【Q7】最低賃金のチェック方法を具体的に教えてください。

【A7】最低賃金のチェック方法はそれぞれ次の通りです。

最低賃金のチェック方法
時間給の場合 時間給と最低賃金を比較
(時間給額≧最低賃金)
日給の場合 日給を時間給に換算し最低賃金と比較
(日給÷1日の所定労働時間≧最低賃金)
週給、月給の場合 週給、月給を時間給に換算し最低賃金と比較
歩合給の場合 歩合給とその他の賃金をそれぞれ1時間当たりの賃金に換算した額の合計を最低賃金と比較

※除外される賃金は【Q6】をご覧ください。

[計算例:日給制と月給制を組み合わせているケース]

・基本給(日給) 6,000円 ○年間労働日数 250日
・当月の労働日数 20日 ○所定労働時間 8時間
・職務手当 30,000円 ○東京都最低賃金 907円
・通勤手当 10,000円
合計 160,000円

①手当の合計から最低賃金の対象とならない通勤手当を除きます。
40,000円-10,000円=30,000円

②基本給(日給制)と手当(月給制)を時間額に換算し、合計すると、

◇基本給の時間換算額

6,000円÷8時間/日=750円/時間

◇手当の時間換算額

(30,000円×12カ月)÷(250日×8時間)=180円/時間

◇合計の時間換算額

750円+180円=930円>907円

となり、東京都の最低賃金額を上回ります。