メンタルヘルス疾患による休業者の職場復帰プロセスについて①

平成27年11月25日  発行

メンタルヘルス疾患による休業者の職場復帰は、復帰判断が難しく、会社にとって大きな課題となるケースがあります。会社としては、円滑な職場復帰のために、職場復帰プログラムの策定や関連規程の整備等により、休業から復職までの流れをあらかじめ明確にしておくことが必要です。今回は休業から復職に至るプロセスを5つのステップに区分けして解説します。

【職場復帰プロセスと各ステップ】

<第1ステップ> 病気休業開始および休業中のケア

①従業員が主治医による診断書を会社に提出し、休業が開始される。

※診断書には病気休業を必要とする旨の他、必要な療養期間の見込みについて明記してもらいます。

②休業する従業員に対して、必要な事務手続きや職場復帰支援の手順を説明し、傷病手当金などの経済的保障、
休業の最長(保障)期間等について情報提供を行う。

<第2ステップ> 主治医による職場復帰可能の判断

①休業中の従業員から職場復帰の意思が伝えられる(または、休業期間が満了となる)。

②会社は従業員に対して主治医による職場復帰可能の判断が記された診断書(復職診断書)の提出を求める。

※診断書には、就業上の配慮に関する主治医の具体的な意見を記入してもらいます。

※主治医による診断書は、病状の回復程度を中心に記載されていることが多く、職場で求められる業務遂行能力まで回復
しているとの判断とは限りません。産業医等が精査したうえで採るべき対応を判断し、意見を述べることが重要です。

<第3ステップ> 職場復帰の可否の判断及び職場復帰支援プラン(職場復帰を支援するための具体的プラン)の作成

①情報の収集と評価

(イ) 従業員の職場復帰に対する意思の確認

(ロ) 産業医・人事部等による主治医からの意見収集

(ハ) 従業員の状態等(治療状況、病気の回復状況、業務遂行能力など)の評価

(ニ) 職場環境(業務及び職場との適合性、職場での支援準備状況など)の評価

(ホ) その他 (治療に関する問題点、本人の行動特性、家族の支援状況や職場復帰の阻害要因等)

②最終的な決定の前段階として職場復帰の可否について、人事部等が中心となって判断します。

③以下の項目について検討し、職場復帰支援プランを作成します。

(イ) 職場復帰日

(ロ) 管理監督者による業務上の配慮(業務サポートの内容や方法、業務内容や業務量の変更など)

(ハ) 人事労務管理上の対応(配置転換や異動の必要性、勤務制度変更の可否及び必要性など)

(ニ) 産業医等による医学的見地からみた意見(産業医が選任されている場合)

(ホ) 管理監督者や人事部等によるフォローアップの方法、就業制限等の見直しを行うタイミングなど

(へ) その他(従業員が責任を持って行うべき事項、リハビリ出勤制度の利用など)

<第4ステップ> 最終的な職場復帰の決定

①従業員の状態(疾患の再燃・再発の有無等)の最終確認

②産業医等による就業上の措置等に関する意見書の作成 (産業医が選任されている場合)

③会社による最終的な職場復帰の決定(就業上の配慮の内容についても併せて従業員に対して通知)

④その他(職場復帰についての事業場の対応や就業上の配慮の内容等が従業員を通じて主治医に的確に伝わるようにする)

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職 場 復 帰

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<第5ステップ> 職場復帰後のフォローアップ

①疾患の再燃・再発、新しい問題の発生等の有無の確認

②勤務状況及び業務遂行能力の評価

③職場復帰支援プランの実施状況の確認及び評価と見直し

④治療状況(通院状況、病状や今後の見通しについてなど)の確認

⑤職場環境等の改善等

⑥受け入れる職場の管理監督者や同僚等に、過度の負担がかかることのないよう配慮

※  プライバシーの保護、その他の検討・留意すべき事項については別途労務情報にてご案内いたします。