労働契約申込みみなし制度(受入れ期間制限ルール)

平成30年5月25日  発行

平成27年の労働者派遣法の改正から、平成30年9月30日で3年が経過することとなり、受入期間制限ルールなどの対象となる時期が近づいております。今月号では、受入期間制限ルールを中心に労働契約申込みみなし制度について解説します。

【労働契約申込みみなし制度とは】

・平成27年10月1日以降、派遣先が次の①~⑤のいずれかによる違法な労働者派遣を受け入れた場合、その時点で、派遣労働者に対して、
派遣先が派遣元における労働条件と同じ内容の労働契約の申込みをしたものとみなされる制度。

※派遣先が違法派遣に該当することを知らず、かつ、知らなかったことに過失がなかったときは除きます。

①労働者派遣の禁止業務に従事させた場合 ②無許可の事業主から労働者派遣を受け入れた場合
③事業所単位の期間制限に違反して労働者派遣を受け入れた場合 ④個人単位の期間制限に違反して労働者派遣を受け入れた場合
⑤いわゆる偽装請負の場合  

【受入れ期間制限ルール】

【対象】平成27年9月30日以降に締結・更新された労働者派遣

【内容】すべての業務において、①事業所単位、かつ②個人単位の期間制限が適用されます。

※ ただし、「派遣元で無期雇用されている派遣労働者」や「60歳以上の派遣労働者」などは、期間制限の対象外です。

派遣先の 「事業所単位」 の期間制限

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① 派遣先の 「事業所単位」 の期間制限

派遣先は、同一の事業所において派遣可能期間(3年)を超えて
派遣を受け入れることはできません。
ただし、派遣先事業所の労働者の過半数を代表する者等(※1)
から意見を聴いた上であれば、3年を限度として派遣可能期間を延長(※2)することができます。

※1 過半数労働組合が存在する場合、派遣先の事業所の過半数労働組合。

※2 再延長する場合には、改めて意見聴取手続きが必要です。

派遣労働者の「個人単位」 の期間制限

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② 派遣労働者の「個人単位」 の期間制限

①において「事業所単位」の派遣可能期間を延長した場合でも、
派遣先の事業所における同一の組織単位(いわゆる「課」などを
想定)で、3年を超えて同一の派遣労働者を受け入れることはできません。

○事業所・組織単位の定義(以下の観点から、実態に即して個別に判断されます)

●事業所

※雇用保険の適用事業所に関する考え方と基本的に同じです。

・工場、事務所、店舗等場所的に独立していること

・経営単位として人事・経理・指導監督・働き方などが
ある程度独立していること

・施設として一定期間継続するものであること

●組織単位

(いわゆる「課」や「グループ」など)

・業務としての類似性、関連性があるもの

・組織の長が業務配分、労務管理上の指揮監督権限を有するもの

○意見聴取手続

派遣先は、同一の事業所において3年を超えて派遣を受け入れようとする場合は、延長しようとする派遣可能期間が終了する1か月前までに、
事業所の労働者の過半数を代表する者等から意見を聴く必要があります。

●意見聴取方法

① 労働者の過半数を代表する者等に対して、書面による通知を行わなければなりません。

② 労働者の過半数を代表する者等から異議が述べられた場合、派遣先は、延長前の派遣可能期間が経過する前に、派遣可能期間の
延長の理由と延長の期間、当該異議への対応方針を説明しなければなりません。