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トレーニング
給与計算講座:雇用保険法・労働保険徴収法より

雇用保険と労災保険を総称して労働保険と呼びます。労働保険料のうち、給与から控除されるのは雇用保険料だけで、また『MB給与管理』は一般保険料のみ対象としています。

7-1.労働保険料の計算

一般保険料は原則として、事業主がその事業に使用するすべての労働者に支払う賃金の総額に、その事業についての労災保険料率と雇用保険料率とを合計した率を乗じて計算します。 (徴収法11?@、12)
                                (徴収法12?@、二、三)
  a. 労災保険と雇用保険の両方の保険関係が成立している場合
    一般保険料=賃金総額×(労災保険率+雇用保険率)
  b. 労災保険の保険関係だけが成立している場合
    一般保険料=賃金総額×労災保険率
  c. 雇用保険の保険関係だけが成立している場合
    一般保険料=賃金総額×雇用保険率

7-2.労働保険料の負担割合

労働保険料の負担については、それぞれ次のようになっています(徴収法30)





一般保険料 労災保険分 事業主が全額負担
雇用保険分 失業給付分………事業主と被保険者が折半負担
雇用安定事業分…事業主が全額負担
特別加入保険料 (労災保険) 事業主が全額負担
印紙保険料 (雇用保険) 事業主と被保険者が折半負担

一般保険料の負担割合

一般保険料のうち、労災保険分は事業主が全額を負担しますが、雇用保険分については事業主と被保険者とが次の負担割合によって負担します。

事業の種類 雇用保険率 事業の種類 事業の種類
1. 一般の事業 19.5/1000 11.5/1000 8/1000



2.農林水産・清酒製造の事業 21.5/1000 12.5/1000 9/1000
3.建設の事業 22.5/1000 13.5/1000 9/1000

※農林水産の事業には、イ 牛馬育成、養鶏、酪農、養豚の事業、ロ 園芸サービスの事業、ハ 内水面養殖の事業は含まれません。

7-3.労働者

労働者とは、事業に使用される人で、賃金を支払われた人をいい、法律の適用を受けない人は労災保険と雇用保険の労働者とされません。ただし、法人の役員等の場合、賃金を得て労働に従事している人は、労働者として扱われます。

7-4.雇用保険の対象外者

  1.満64才以上の労働者は、雇用保険料が免除される。

被保険者になれない人

  1.満65才以上の新規採用者
  2.法人の役員(従業員役員を除く)
  3.アルバイト・日雇・家事使用人
  4.パートタイマー(1週間の労働時間が通常労働者の3/4以上で、かつ22時間以上の人、労働日・労働時間・賃金を除いた労働条件が通常労働者と同一の人を除く)

7-5.保険料の徴収

雇用保険料は、健保・厚生年金の保険料と同じように毎月の給与計算(賞与のときも)のたびに徴収しなければなりません。

雇用保険料の徴収方法は、健保・厚生年金とは次のとおり違いがありますので、その違いを頭に入れておく必要があります。

雇用保険 健康保険・厚生年金
1.当月分の保険料を当月の給与から差し引く 1.前月分の保険料を当月の給与から差し引く
2.支給額によって保険料が異なる 2.毎月の保険料は一定である
3.高齢者には保険料免除の特例がある 3.高齢者でも保険料免除の特例はない
4.月の途中で退職しても当月の保険料を負担しなければならない 4.月の途中で退職した場合、当月分の保険料は負担しなくてよい
5.賞与からも保険料を差し引く 5.賞与からは特別保険料を差し引く

7-6.保険料の納付

被保険者から毎月徴収した保険料は、その都度納付するのではなく、年度更新の時(年1回)に労災保険料と合算して納付します。

7-7.賃金総額の計算

保険料を算定する基礎になる給与総額のことを、労働保険では賃金総額といいます。

事業に使用するすべての従業員に支払う賃金の総額をいいますが、雇用保険の対象外者に支払われる賃金は除外します。

7-8.被保険者に関する手続き

雇用保険の被保険者となったことや被保険者でなくなったことについては、労働大臣の委任を受けた公共職業安定所長が確認を行ないます。これは、失業給付を受けるときに基本手当の所定給付日数を算定するための基礎となる被保険者歴を確実に把握する必要があるなどの理由によるものです。

被保険者になったときの手続き

事業主は、雇い入れた労働者が雇用保険の被保険者(一般被保険者、短期雇用特例被保険者、短 時間被保険者)となるときは、次の手続きをします。


何を 雇用保険被保険者資格取得届
いつまでに 被保険者となった日の属する月の翌月10日まで
だれが 事業主
どこへ 事業所の所在地を管轄する公共職業安定所
添付書類等 1.雇用保険被保険者証
2.初めて適用事業所となったときは事業所設置届
3.賃金台帳、労働者名簿等

労働者が被保険者となる日は、次のとおりです。

  1.適用事業に新たに雇用されたとき→雇用された日
  2.適用事業でなかった事業が適用事業となったとき→適用事業となった日
  3.季節的事業に4ヶ月以内の期間を定めて雇用された者が、その期間を越えて雇用されたとき→定められた期間を越えた日
  4.日雇労働被保険者が、切替え要件に該当するに至ったとき→その翌月の最初の日

被保険者区分の変更があったとき

被保険者の1週間の所定労働時間が変更されて、30時間以上であった人が30時間未満となったときや、反対に30時間未満であった人が30時間以上となったときは、次の手続きをします。

何を 雇用保険被保険者区分変更届
いつまでに 変更のあった月の翌月10日まで
だれが 事業主
どこへ 事業所の所在地を管轄する公共職業安定所
添付書類等 辞令、雇用契約書、就業規則、労働者名簿

この手続きにより、一般被保険者や高年齢継続被保険者が、所定労働時間が30時間未満になると、短時間被保険者や高年齢短時間被保険者に切り替り、その反対に30時間以上になると、一般被保険者や高年齢継続被保険者に切り替ります。

被保険者が転勤したとき

事業主は、その雇用する被保険者をその事業主の一つの事業所から他の事業所に(本店から支店へのように)転勤させたときは、次の手続きをします。

何を 雇用保険被保険者転出届
いつまでに 事実のあった日(転勤発令日)の翌日から10日以内
だれが 事業主
どこへ 事業所の所在地を管轄する公共職業安定所

被保険者転出届と受理した安定所からは、「雇用保険被保険者転出届受理通知書」とともに「雇用保険被保険者転入届」の用紙を渡されますので、この転入届に転勤後の事業所の事業所番号及び名称を記載して、転勤後の事業所の所在地を管轄する安定所長に提出しなければなりません。

被保険者が氏名を変更したとき

事業主は、その雇用する被保険者が、結婚、養子縁組、その他の理由で氏名を変更したときには、次の手続きをします。

何を 雇用保険被保険者氏名変更届
いつまでに そのつどすみやかに
だれが 事業主
どこへ 事業所の所在地を管轄する公共職業安定所
添付書類等 雇用保険被保険者証

この場合、氏名の変更を証する書面の添付等は不要です。

なお、最後の被保険者でなくなった後に氏名を変更した者(その変更について、すでに氏名変更届を提出している者は除きます)を雇用した事業主は、その人の資格取得届とあわせて、氏名変更届を提出しなければなりません。

労働者が被保険者でなくなったとき

適用事業の事業主は、雇用する被保険者が離職その他の理由で被保険者でなくなった場合は、次の手続きをします。

何を 雇用保険被保険者資格喪失届
いつまでに 事実のあった日の翌日から10日以内
だれが 事業主
どこへ 事業所の所在地を管轄する公共職業安定所
添付書類等 雇用保険被保険者離職証明書

被保険者は離職したときは、離職日の翌日から被保険者資格を喪失します。

また次のような場合にも、一部例外を除いてその事実のあった日の翌日から被保険者資格を喪失します。

  1.被保険者が死亡したとき
  2.任意加入の事業(擬制的任意適用事業を含みます)が認可を受けて脱退(保険関係消滅)したとき
  3.国、都道府県、市町村等に臨時職員(退職手当支給の対象とならない職員)として雇用された者が退職手当支給の対象となったことにより、雇用保険の適用除外があったとき
  4.船員保険の被保険者になったとき
  5.重役となり経営者(委任関係)とみなされたとき(重役就任の日に被保険者資格を喪失)
  6.出向したとき(被保険者資格を喪失しないこともある)
  7.パートタイム労働者である被保険者が、被保険者となる条件にあてはまらなくなったとき

労働者が離職したことによって資格を喪失した場合には、事業主は、原則として、「資格喪失届」に添えて「雇用保険被保険者離職証明書」を所轄安定所長に提出しなければなりません。ただし、離職者が離職票の交付を希望しない場合に、前述の「資格喪失届」の「離職票交付希望」欄に「2無」を記入し、かつ、「被保険者確認印」欄に離職者が押印したときなどは、離職証明書を提出する必要はありません。

また、離職の際には離職票の交付を希望しなかった者が、資格喪失届を提出した後になってから、離職票の交付を請求するため離職証明書の交付を求めてきたときには、事業主は、やはり、その者に離職証明書を作成して交付しなければなりません。

雇用保険被保険者証をなくしたとき

雇用保険の被保険者になると、雇用保険被保険者証が交付されます。この被保険者証は、被保険者であった期間を算定するうえで必要な被保険番号を把握するため、被保険者に交付され、必要なときに安定所へ提出が求められるもので、被保険者歴(被保険者となったことやなくなったこと)、失業給付の受給歴(基本手当の所定給付日数、受給の有無など)を正確に整理、記録するためのいわば潤滑油の役割を果たすものです。

また、この被保険者証は、なくしたりして被保険者番号が確認できなかったときは、被保険者であった期間の確認ができず、失業したときに支給される基本手当の給付日数の決定において不利になりかねませんから、被保険者証の保管等には十分の注意を払わなければなりません。ふつうは、事業主が預かっておき、退職等のとき手渡すのがよいでしょう。被保険者証をなくしたり、破ったりしたときは、次の手続きをして再交付を受けることができます。

何を 雇用保険被保険者証再交付申請書
いつまでに そのつどすみやかに
だれが 事業主
どこへ 事業所の所在地を管轄する公共職業安定所