TOP > 改正労働基準法 (労務情報NO.116)

 

改正労働基準法 平成15年12月25日 発行

平成16年1月1日より労働基準法が改正されますが、今月号ではその主な内容について解説します

 

1.有期の労働契約が原則1年から3年に延長されました。 【平成16年1月1日改正】

平成15年12月31日までは、期間を定めて契約社員・パートタイマー等を雇う場合、原則として1年特例の場合は3年)以内で契約を結ばなければなりませんでした。しかし平成16年1月1日からは契約できる期間が最長3年まで延長されました。
また、高度の専門的知識、技術または経験(以下専門的知識等といいます)を有する人や満60歳以上の人と有期の労働契約を結ぶ特例の場合については、契約期間の上限が最長5年まで延長されました。

【現行】 【改正後】
原則 最長1年 =============⇒ 最長3年
特例 最長3年 =============⇒ 最長5年

☆特例の条件 【現行】 【改正後】
@ 高度の専門的知識等を有する人が不足している
     事業場でこうした人を新たに雇い入れる場合。
==⇒ @ 専門的知識等を有する人(高度の専門的知識等を
     必要とする業務に就く者に限る)を雇い入れる場合。

ただし、有期労働契約(一定の事業の完了に必要な期間を定めるものを除き、その期間が1年を超えるものに限ります。)を結んだ社員(上記特例に該当する社員を除きます)が長期にわたって拘束されて退職できない事態を防ぐため、契約期間の初日から1年を経過した日以後、社員の側から退職することを申し出た場合、契約期間の途中であっても退職することができるという3年間の暫定措置がおかれています。(やむを得ないと認められる理由がない限り、契約期間の途中において会社側から一方的に契約を解除することはできません)

2.有期労働契約の締結、更新及び雇い止めに関する基準の内容      【平成16年1月1日改正】

@契約社員・パートタイマー等に対し、契約を結ぶ際に契約更新の有無
   契約更新する場合、しない場合の判断基準を明示しなければなりません。
【契約更新の有無の具体例】
  • 自動的に更新する
  • 更新する場合があり得る
  • 契約の更新はしない
【判断基準の具体例】
  • 契約期間満了時の業務量により判断する
  • 契約社員・パートタイマー等の勤務成績、態度により判断する
  • 契約社員・パートタイマー等の能力により判断する
  • 会社の経営状況により判断する
  • 従事する業務の進捗状況により判断する
A1年を超えて継続して雇用している契約社員・パートタイマー等を雇い止めする場合には、
   少なくとも30日前に予告をしなければなりません。
B契約社員・パートタイマー等から雇い止めの理由の明示を請求された場合には、
   遅滞なく文書で交付しなければなりません。
C有期契約を更新する場合、その実態と契約社員・パートタイマー等の希望に応じて
   契約期間をできる限り長くするよう努めなければなりません。

3.時間外労働・休日労働協定(36協定)の特別条項が「臨時的なもの」に限定されました

【平成16年4月1日改正】

特別条項とは、36協定に定めておけば「特別な事情」が生じたときに限り、限度時間(1ヵ月45時間、1年360時間)を超えて一定の時間まで労働時間を延長することができるというものです。

特別条項が適用される場合には、現行の制度では延長できる時間の上限がなく、また特別の事情について特に限定されていなかったため、限度時間を超える時間外(特別延長時間)が恒常的に行われ、働きすぎが指摘されていました。

そこで平成16年4月1日から以下の内容で改正が行われます。

@「特別な事情」を「臨時的なものに限る」臨時的なものとは
  • 一時的、突発的に時間外労働が必要になった場合。
  • 全体として1年の半分(6カ月)を超えないことが条件。
  • 「業務の都合上必要なとき」といったように具体的な明記をせず、恒常的な長時間労働を招く恐れがあるときは
    「臨時的なもの」と認められません。
A1日を超え3カ月以内の一定期間について、特別延長時間まで労働時間を延長できる回数を協定しなければなりません。 回数の定めがない場合、限度基準に適合しないとして助言・指導の対象になります。(臨時的なものであることが明らかな場合を除きます。)

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