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定年の引き上げ、雇用継続制度の導入 平成16年12月25日 発行

 年金の支給開始年齢の引き上げ、少子高齢化の急速な進展に伴い労働力人口が減少する中で、定年退職者の生計維持のための収入の確保と社会保障制度の支え手の要員として65歳まで働ける労働市場の整備が必要とされてきました。今月は、6月に成立した改正高年齢者雇用安定法の65歳までの雇用の確保について解説します。

【改正の内容】

平成18年4月1日から65歳までの定年の引き上げ、継続雇用制度の導入等が義務化されます。

   定年(65歳未満のものに限ります)の定めをしている会社は、その雇用する社員の65歳(※1)までの安定した雇用を確保するために次のいずれかの措置(高年齢者雇用確保措置)を講じなければなりません。
(1)定年の引き上げ
(2)継続雇用制度(※2)の導入
(3)定年の定めの廃止

   ただし、会社は、労使協定により(2)の対象となる社員に係る基準(※3)を定め、その基準に基づく制度を導入したときは(2)の措置を講じたものとみなされます。
※1 年齢は、年金の支給開始引上げ年齢スケジュールにあわせ、平成18年4月1日から平成25年4月1日までに段階的に引上げていくものとしています。
平成18年4月1日から平成19年3月31日まで 62歳
平成19年4月1日から平成22年3月31日まで 63歳
平成22年4月1日から平成25年3月31日まで 64歳
平成25年4月1日以降 65歳
※2 継続雇用制度は、「現に雇用している社員が希望しているときは、その社員を定年後も引き続いて雇用する制度」をいいます。
※3 労使協定を結ぶことができない場合
  • 大企業は3年間(平成21年3月31日まで)
  • 中小企業(常時雇用する社員数が300人以下)は5年間(平成23年3月31日まで)
    ⇒ 上記の期間に限り、就業規則等で継続雇用制度の対象となる基準を定めることができます。
    (中小企業は期間延長の可能性もあります)

【定年の引上げ、継続雇用制度の導入関係】
改正前     改正後  
60歳未満定年の禁止 現行どおり
○65歳までの雇用確保の努力義務
   
・定年の引き上げ
・継続雇用制度の導入
・その他(定年の定めの廃止等)
○いずれかの措置(高年齢者雇用確保措置)の実施義務
原則 (1)定年の引き上げ
(2)継続雇用制度の導入(※)
    (労使協定により基準を定めた場合は、
      希望者全員を対象としない制度も可)
(3)定年の定めの廃止
原則: 継続雇用制度を導入する場合
  ⇒ 希望者全員を対象とする
  例外: 労使協定で対象となる社員の基準を定めた場合
  ⇒ 希望者全員を対象としないことも認められる
【基準の例】
・職能資格等級○等級以上
・専門技術等級レベル○等級以上
・過去○年間の人事考課がいずれも○評価以上
○ 履行確保措置
   ⇒ 違反している会社に対して、公共職業安定所が助言・指導を行い、なお違反している会社には勧告を行うとしています。

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