TOP 振替休日と代休の取り扱いについて (労務情報NO.140)
振替休日と代休の取り扱いについて
平成17年12月25日 発行
社員が休日労働をした場合において、その代わりに平日に休みを与えるには「振替休日」と「代休」という2つの方法が考えられます。 この2つの制度は、法的には異なるものなのですが、多くの会社が混同して実施しているのが現状です。今月号では、振替休日と代休の法的性格とその取り扱いについて解説します。
振替休日とは
⇒労働契約を一時的に変更して、所定休日(会社で休日と定められた日)と所定労働日(出勤する日と定められた日)を入れ替える制度。
<実施するための条件>
★就業規則等に、休日の振替に関する下記の内容をあらかじめ規定しておくこと
(1と2は必ず必要。3、4は規定しておくことが望ましい。)
(1と2は必ず必要。3、4は規定しておくことが望ましい。)
1.業務上の理由により休日の振替を行うことがあること
2.事前に振替する日を特定して実施すること(出勤する日よりも前の日と振替することも可能)
3.休日の振替を行う具体的事由
4.振替する日を特定する範囲(例:1ヶ月以内の日など)※できるだけ直近の日と振替することが望ましい
2.事前に振替する日を特定して実施すること(出勤する日よりも前の日と振替することも可能)
3.休日の振替を行う具体的事由
4.振替する日を特定する範囲(例:1ヶ月以内の日など)※できるだけ直近の日と振替することが望ましい
⇒上記の規定がない場合や、上記の内容に沿った運用がされていない場合には、事前に対象者から同意を得ている場合を除き、合法的な振替休日と認められない(可能性が高くなる)ので注意。
<時間外・休日労働の取り扱い>
1.同一の週内で振替した場合には、その部分について時間外労働・休日労働は発生しない
2.他の週の所定労働日と振替した場合、休日労働は発生しないが、当初休日であった週の
労働時間が40時間を超えた場合には時間外労働が発生する
3.振替によって休日と変更された当初の所定労働日に出勤させた場合、その日が休日労働
となる(再度、振替する場合には本人の同意が必要)
2.他の週の所定労働日と振替した場合、休日労働は発生しないが、当初休日であった週の
労働時間が40時間を超えた場合には時間外労働が発生する
3.振替によって休日と変更された当初の所定労働日に出勤させた場合、その日が休日労働
となる(再度、振替する場合には本人の同意が必要)
※複数の休日を振替する場合には、法定休日(原則として1週間に1日)を確保しなければならないことに注意。
(1)のケース(日曜日の休日労働を同一週の水曜日と振替した場合)
日
月
火
水
木
金
土
合計
日
月
火
水
木
金
土
合計
休日
8h
8h
8h
8h
8h
休日
40h
8h
8h
8h
振休
8h
8h
休日
40h
※時間外労働及び休日労働は発生しない
(2)のケース(日曜日の休日労働を翌週の月曜日と振替した場合)
日
月
火
水
木
金
土
合計
日
月
火
水
木
金
土
合計
休日
8h
8h
8h
8h
8h
休日
40h
8h
8h
8h
8h
8h
8h
8h
48h*(1)
休日
8h
8h
8h
8h
8h
休日
40h
休日
振休
8h
8h
8h
8h
8h
32h*(2)
※(1)日曜日の労働時間は時間外労働(若しくは休日労働)となる
※(2)時間外労働及び休日労働は発生しない
※(2)時間外労働及び休日労働は発生しない
代休とは
⇒休日労働を行ったことの代償として、所定労働日の労働義務を免除する制度。(一般的には無給)
<実施するための条件>
★就業規則等に規定をする必要はなく、代休とする日を事前に特定することも求められていない
また、代休は必ず付与しなければならないというものではないため、代休を与えないことも可能。付与する場合の制限もなく、例えば代休を積み立てておき、閑散期や年末年始等にまとめて付与することもできる。
<時間外・休日労働の取り扱い>
★振替休日と異なり、代休を与えたとしても休日労働をした事実は変わらない(割増賃金の支払いが必要)
→例えば、所定労働時間が8時間の会社において、休日労働(8時間)に対する代休を与えた場合、代休を与えた日については、「ノーワーク・ノーペイの原則」により、その日の賃金(所定労働時間分)をカットすることができる。
その場合、休日労働の割増部分(時間単価×8時間×0.25※(1)または0.35※(2))の支払いが必要となる。
※(1)休日労働が法定外休日の場合 ※(2)休日労働が法定休日の場合
その場合、休日労働の割増部分(時間単価×8時間×0.25※(1)または0.35※(2))の支払いが必要となる。
※(1)休日労働が法定外休日の場合 ※(2)休日労働が法定休日の場合