育児・介護休業法等の改正について
平成21年6月25日 発行
厚生労働省は、少子化に歯止めをかけるための対策として、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(「育児・介護休業法」と呼ばれています。)及び雇用保険法を改正しました。今月号では、当該改正の概要について解説します。

改正の概要

@短時間勤務制度の義務化 3歳までの子を養育する労働者について、短時間勤務制度(1日6時間以下)を設けることを事業主の義務とする。
A所定外労働の免除の義務化 3歳までの子を養育する労働者から請求があったときの所定外労働の免除について制度化する。
B子の看護休暇の拡充 小学校就学前の子が1人であれば年5日、2人以上であれば年10日とする。
Cパパ・ママ育休プラス(仮称)の導入 両親ともに育児休業を取得する場合に、育児休業を取得できる期間を、子が1歳2か月に達するまでに延長(現行は1歳に達するまで)し、これに併せて雇用保険の育児休業給付についても改正する。(ただし、父母がそれぞれ取得できる休業期間の上限は現行と同じ1年間です)
D出産後8週間以内の父親の育児休業取得の促進 妻の出産後8週間以内に父親が育児休業を取得した場合、特例として、育児休業の再度の取得を認める。(理由がなくても2度目の取得が可能)
E労使協定による専業主婦(夫)除外規定の廃止 労使協定により、専業主婦の夫などを育児休業の対象外にできるという法律の規定を廃止し、すべての父親が必要に応じ育児休業を取得できるようにする。
F介護のための短期の休暇制度の創設 要介護状態にある家族の通院の付き添い等に対応するため、介護のための短期の休暇制度を設ける。(年5日、対象者が2人以上であれば年10日)
G紛争解決の援助および調停のしくみ等の創設 育児休業の取得等に伴う苦情・紛争について、都道府県労働局長による紛争解決の援助および紛争調整委員会による調停制度を設ける。
H公表制度および過料の創設 勧告に従わない場合の公表制度や、報告を求めた際に虚偽の報告をした者等に対する過料(20万円以下)を設ける。

※実施日については、公布の日から1年(@、A、Fの規定は、100人以下の企業については3年)以内の政令で定める日とされています。

改正後の育児・介護休業制度のイメージ

現行の育児休業制度
勤務時間短縮等の措置
(次の@〜Fの内、いずれかが義務)

@勤務時間の短縮
A所定外労働の免除
Bフレックスタイム
C始業・終業時刻の繰上げ・繰下げ
D託児施設の設置運営
EDに準ずる便宜の供与
F育児休業に準ずる制度
努力義務
子の看護休暇(年5日まで)
法定時間外労働の制限、深夜業の免除
改正後の育児休業制度
勤務時間の短縮措置(義務化)
   
所定外労働時間の免除(義務化)
 
Bフレックスタイム
C始業・終業時刻の繰上げ・繰下げ
D託児施設の設置運営
EDに準ずる便宜の供与
F育児休業に準ずる制度
努力義務
子の看護休暇(子1人につき年5日まで、年10日上限)
法定時間外労働の制限、深夜業の免除

現行の介護休業制度
介護休業(対象家族1人につき93日まで)
勤務時間短縮等の措置(介護休業とあわせて93日まで)
改正後の介護休業制度
介護休業(対象家族1人につき93日まで)
勤務時間短縮等の措置(介護休業とあわせて93日まで)
介護休暇(家族1人につき年5日まで、年10日上限)

| 戻る |

Copyright(C) 1998-2009 CommunicationScience Co.,Ltd All Rights Reserved.