TOP > 非正規雇用者の社会保険および雇用保険の加入基準について  (労務情報NO.214)

非正規雇用者の社会保険および雇用保険の加入基準について

平成24年2月25日  発行

近年、雇用環境の複雑化により、正社員以外の労働者を雇用する機会が増え続けています。パートタイマー、アルバイト、契約社員、嘱託社員等々、これからの時代、益々この傾向は強くなっていくと思われます。非正規雇用者であれば社会保険(健康保険、厚生年金保険)や雇用保険に加入させなくてもよいということはなく、一定の基準を満たした場合には加入させる義務があります。今月号では、非正規雇用者の社会保険および雇用保険の加入基準について解説します。

1.社会保険(健康保険・厚生年金保険)の加入基準

(1)  社会保険加入者

適用事業所に使用されている人は、国籍・性別・年齢・賃金の額等に関係なく、「適用除外」に該当する場合を除いて、社会保険への加入義務が生じます。

<主な社会保険適用除外者>
適用除外とされる者(加入義務なし) 適用対象とされる者(加入義務あり)
日々雇い入れられる者 →  1ヶ月を超えて引き続き使用された場合
2ヶ月以内の期間を定めて使用される者 →  所定の期間を超えて引き続き使用される場合(*)

(*) 1ヶ月の期間を定めて使用していた場合は、1ヶ月を超えた日から加入義務が発生

(2)  パートタイマーやアルバイト等

パートタイマーやアルバイトなど短時間労働者については、勤務時間および勤務日数の両方が一定の基準に達することで社会保険への加入義務が生じます。(就労形態や勤務内容等をみて総合的に判断されます。)

1日または1週間の所定勤務時間が一般従業員の所定勤務時間のおおむね4分の3以上であること
(例.所定勤務時間が8時間の会社では、6時間以上の勤務)
加入義務発生の条件図
1ヶ月の勤務日数が一般従業員の所定勤務日数のおおむね4分の3以上であること
(例.所定勤務日数20日の会社では15日以上の勤務)

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2.雇用保険の加入基準

(1)  雇用保険加入者

適用事業所に使用されている人は、適用除外に該当する場合を除いて、雇用保険への加入義務が生じます。

<主な雇用保険適用除外者>
満65歳以降で新たに雇用された者
4ヶ月以内の季節的事業に雇用される者
昼間の学生(*)

(*) 卒業見込書を有し、卒業後に入社することを前提に卒業前から勤務している者は除く。

(2)  パートタイマーやアルバイト等

パートタイマーやアルバイトなど短時間労働者については、所定労働時間および雇用期間の見込みが一定の基準に達することで雇用保険への加入義務が生じます。(下記のいずれの条件にも該当することが前提です。)

1週間の所定労働時間が20時間以上であること 実労働時間だけでなく、雇用契約上の労働時間でも判断します。
31日以上引き続き雇用される見込みがあること 「雇用される見込みがある」とは、下記の場合をいいます。
①期間の定めがない場合
②雇用期間が31日以上である場合
③雇用契約に更新規定があり31日未満での雇止めの明示がない場合
④雇用契約に更新規定はないが、31日以上雇用された実態がある場合