外国人労働者の雇用に関するQ&A

平成25年4月25日  発行

厚生労働省の発表によると平成24年10月末現在の「外国人労働者を雇用している事業所数」は、119,731カ所であり、平成20年10月末現在と比べ、42,920カ所も増加しており、外国人労働者への雇用のニーズが年々高まっていることがわかります。そこで、今月号では外国人労働者を雇用する上で注意しなければならないポイントをQ&A方式で解説します。

【Q1】外国人を雇用する際に、注意すべき点は?

旅券(パスポート)面の上陸許可証印又は在留カード(平成24年7月より発行。新たに在留カードが発行されるまでは、外国人登録証明書は在留カードとみなされます)により、「在留資格」、「在留期間」、「在留期限」の確認を必ず行ってください。特に「在留資格」については、就労活動が認められる在留資格かどうかの確認が必要となってきます。

1.在留資格に定められた範囲でのみ就労が可能な在留資格(17種類)
①外交、②公用、③教授、④芸術、⑤宗教、⑥報道、⑦投資・経営、⑧法律・会計業務、⑨医療、⑩研究、⑪教育、⑫技術、
⑬人文知識・国際業務、⑭企業内転勤、⑮興行、⑯技能、⑰技能実習
2.就労活動に制限がない在留資格(4種類)
①永住者、②日本人の配偶者等、③永住者の配偶者等、④定住者
3.原則として就労が認められていない在留資格(5種類)
①文化活動、②短期滞在、③留学、④研修、⑤家族滞在
4.個々の外国人に与えられた許可の内容により就労の可否が決められる在留資格(1種類)
①特定活動

【Q2】留学生をアルバイトで雇用することはできないのでしょうか?

留学生は就労できない在留資格の一つですが、あらかじめ入国管理局から資格外活動の許可を受けていれば、アルバイトを行うことができます。会社は、留学生をアルバイトとして雇用する際には、在留カード裏面の資格外活動許可欄に「許可」の文字が記載されているか必ず確認を行ってください。在留カードが交付されていない場合は、「資格外活動許可書」の提出を求め、確認を行ってください。

会社は資格外活動許可を受けた留学生を、下記の表の内容を限度として勤務先(風俗営業又は風俗関係営業は除く)や時間帯を限定することなく就労させることができます。

  1週間のアルバイト時間 教育機関の長期休業中のアルバイト時間


大学等の正規生 1週間につき28時間以内 1日につき8時間以内
大学等の聴講生・研究生
専門学校等の学生

【Q3】外国人には、日本の労働法が適用されますか?

労災保険、雇用保険、健康保険、厚生年金保険、労働基準法、最低賃金法、労働安全衛生法などは日本人と同様に適用されます。

ただし、留学生においては、就労可能時間が長くても週28時間以内に制限されているため、40時間の週所定労働時間(1日の所定労働時間が8時間で週休2日制の場合)を設けている会社であれば、社会保険(健康保険、厚生年金保険)に加入させる必 要はありません。しかし、労働契約で、1週間の就労可能時間の制限がなくなる長期休業期間中(夏休みなど)は、週30時間以上勤務である旨があらかじめ決まっている場合、その期間、社会保険に加入させなければなりませんので、ご留意ください。

また、留学生は学業が本業となりますので、雇用保険に加入することはできません。

【Q4】外国人を不法就労させた場合、罰則はありますか?

入国管理法に「不法就労助長罪」が定められており、下記の行為に該当した者については、3年以下の懲役若しくは300万円以下の罰金に処し、又はこれを併科すると定められています。

事業活動に関し、外国人を雇用するなどして不法就労活動をさせる行為
外国人に不法就労活動をさせるために、自己の支配下に置く行為
業として、外国人に不法就労活動をさせる行為又は②の行為に関しあっせんする行為