労働者派遣法の改正について

平成26年3月25日  発行

今月、労働者派遣法の改正案が閣議決定され、平成27年4月1日の施行に向けて現在議論が進められています。今月号では、これまでに比べて大きく変更となる労働者派遣法改正の主なポイントについて解説します。

1.主な閣議決定の内容

派遣期間の制限の見直し

これまでの制度(専門的26業務は期間制限なし、その他の業務は原則1年、例外3年の期間制限)を廃止し、すべての業務に共通して下記が新設されます。

・派遣労働者個人単位の制限期間(3年) (2.【B】①のケース)

・派遣先の事業所単位の制限期間(3年、一定の場合に延長あり) (2.【B】②のケース)

※これにより、今まで派遣期間の制限がなかった専門的26業務についても受け入れ期間の制限がかかることになります。

※無期雇用の派遣労働者(2.【A】のケース)、60歳以上の高齢者、有期プロジェクト業務、産前産後休業の代替要員等の業務については対象外です。

特定労働者派遣事業の廃止

特定労働者派遣事業(届出制)と一般労働者派遣事業(許可制)の区別を廃止し、すべての労働者派遣事業が許可制になります。

・特定労働者派遣事業:常時雇用される労働者だけを派遣する形態

・一般労働者派遣事業:登録型の有期労働者を派遣する形態

※労働者の雇用が安定されている特定よりも、登録型の労働者を派遣する一般は許可基準が厳しく、現在は「資産が2,000万円、現金・預金額が1,500万円以上」といった資産基準やその他厳しい基準があります。

※特定から一般への移行や小規模の派遣会社については、一定の経過措置や配慮が行われる予定です。

2.派遣期間の制限のイメージ(例)

※イメージ内での組織単位は「課」単位で設定

【A】無期雇用の派遣→受け入れ期間の制限なし

【B】有期雇用の派遣→受け入れ期間の上限は3年

説明図

※画像はクリックすると拡大します。