衛生委員会について

平成27年12月25日  発行

平成27年12月1日から50人以上の労働者を雇用する企業にストレスチェック制度が義務化されたことに伴い、衛生委員会の担う役割がより一層大きくなりました。今月号では衛生委員会の概要について解説します。

【衛生委員会の設置義務について】

労働安全衛生法では、常時50人以上の労働者を雇用する事業場では業種を問わず、衛生委員会を設置しなければなりません。

※業種と人数によっては「安全委員会」も設置しなければならず、その場合は2つを併せて「安全衛生委員会」として設置することができます。

※常時雇用する労働者には、正社員だけでなく、パートタイマーや有期雇用で働く労働者、派遣労働者も含めます。

衛生委員会 安全委員会
50人以上の全業種
(事業場単位)
《50人以上の事業場》
林業、鉱業、建設業、製造業の一部の業種(木材・木製品製造業、化学工業、
鉄鋼業、金属製品製造業、輸送用機械器具製造業)、運送業の一部の業種
(道路貨物運送業、港湾運送業)、自動車整備業、機械修理業、清掃業
《100人以上の事業場》
上記以外の製造業、上記以外の運送業、電気業、ガス業、熱供給業、水道業、
通信業、各種商品卸売業・小売業、家具・建具・什器等卸売業・小売業、
燃料小売業、旅館業、ゴルフ場業

【衛生委員会で実施すること】

衛生委員会では、主に労働者の健康被害を防止するための対策や、健康促進のための対策についての話し合いをします。

具体的な内容は、下記のようなものがあります。

◆健康診断の受診状況の確認、結果の分析
◆定時退社日の設定や、有給休暇の消化状況の確認
◆衛生教育の実施計画作成と説明会の開催
◆セクハラ・パワハラ対策
◆冷暖房の温度設定
◆VDT作業者の作業時間と休憩の設定
◆メタボリック対策、睡眠に関する各種情報提供
◆禁煙・分煙のための社内体制の整備
◆過重労働対策のための支援(人事部への要望等)
◆ストレスチェック制度の実施に関する事項
◆スポーツジムなど福利厚生施設の加入と健康づくり支援
◆メンタルヘルスの改善・相談支援

【衛生委員会の構成メンバー】

① 委員長(議長) ※人事部長、支店長、工場長など

② 衛生管理者   ※会社の健康や衛生に関する業務をメインで行う資格者(50人以上の事業場で選任の義務あり)

③ 産業医     ※会社の健康管理を専門に行う医師(50人以上の事業場で選任の義務あり)

④ 労働者(衛生に関する経験を有する者)

※①以外の構成メンバーの半数については、労働者の過半数で組織する労働組合がある場合はその労働組合、
過半数で組織する労働組合がない場合は労働者の過半数を代表する者の推薦により指名しなければなりません。

【その他のポイント】

▼衛生委員会の開催頻度

⇒衛生委員会は、毎月1回以上開催しなければならず、原則的に業務時間内に行うものとされています。

▼衛生委員会の開催内容の周知

⇒衛生委員会で話し合った内容は、下記のいずれかの方法により労働者に周知しなければなりません。

① 作業場の見やすい場所に掲示し、または備えつける。

② 書面を労働者に交付する。

③ 社内報、イントラネット、社内掲示板などに掲載する。

▼衛生委員会の記録

⇒衛生委員会で話し合った内容についての議事録を作成し、3年間保存しておかなければなりません。