【是正指導の結果】
◆平成28年度の1年間に行った是正指導のうち、ひとつの企業で不払い残業代の支払い総額が100万円以上となったものについて集計して公表。
① 業種別の企業数 | ② 業種別の対象労働者数 | ③ 業種別の是正支払額 |
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商業(304件、22.6%) | 製造業(19,447人、19.7%) | 商業(29億4,885万円、23.1%) |
製造業(267件、19.8%) | 保健衛生業(17,103人、17.4%) | 保健衛生業(20億6,909万円、16.2%) |
保健衛生業(158件、11.7%) | 商業(16,779人、17.1%) | 製造業(16億8,367万円、13.2%) |
建設業(134件、9.9%) | 建設業(7,688人、7.8%) | 建設業(14億6,157万円、11.5%) |
接客娯楽業(94件、7.0%) | 教育・研究業(7,026人、7.2%) | 運輸交通業(9億6,095万円、7.6%) |
その他(392件、29.0%) | その他(29,935人、30.8%) | その他(35億9,914万円、28.4%) |
合計:1,349件 | 合計:97,978人 | 合計:127億2,327万円 |
1企業当たりで支払われた残業代の 平均額 : 943万円 |
労働者1人当たりに支払われた残業代の 平均額 : 13万円 |
前年度と比較して、約27億円の増額 |
【賃金不払い残業解消のための取り組み事例】
▼違法な長時間労働が疑われる情報をもとに、労基署が立入調査を実施。
⇒タイムカードの打刻時間と警備記録の入退社データにかい離があり、会社指定のユニフォームへの着替えを行った後にタイムカードを打刻している状況が認められた。
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【企業が実施した解消策】
◆店長会議において、労務管理に関する勉強会を開催するとともに、店舗内の主任会議、朝礼、社内報においてタイムカードを適正に打刻するよう、全労働者に周知を図った。
◆人事総務部社員が、定期的に警備記録とタイムカードの打刻時間を確認するとともに、各店舗の労務管理状況の抜き打ちチェックを行うことにした。
◆労働組合と労務管理に関する議論を行い、改善すべき点を取りまとめて順次実施した。
◆賃金台帳などの労務管理に関する書類について、定期的に社会保険労務士による監査を実施することにした。
▼インターネット上の求人情報等の監視情報※を受けて、労基署が立入調査を実施。
⇒労働者本人が記入する「申告書」の時間とPCのログ記録のかい離、夜間の社員駐車場の駐車状況、労働者のヒアリングなどから、賃金不払い残業の疑いが認められた。
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【企業が実施した解消策】
◆代表者が「賃金不払い残業撲滅宣言」を行い、全店で説明会を実施した。
◆申告書とPCのログ記録に30分以上のかい離が認められた場合には、理由を明記させ、所属長の承認を得ることにした。
◆総務部社員が定期的に、労働時間が適正に把握されているかについて実態調査を行い、必要な指導を行うことにした。
※厚生労働省が、平成27年度からインターネット上の賃金不払い残業などの書き込み等の情報を監視・収集する取り組みを実施しており、労基署はその情報に基づいて必要な調査等を行っています。