割増賃金について

令和元年7月25日  発行

今月号では、割増賃金の種類・割増率・割増賃金計算におけるルール等について解説します。

1. 割増賃金の種類と割増率

種類 支払う条件 割増率
時 間 外
(時間外手当・残業手当)
① 法定労働時間(1日8時間・週40時間)を超えたとき ① 25%以上
② 時間外労働が1か月60時間を超えたとき(※Ⅰ ② 50%以上(※Ⅰ
休 日(休日手当) 法定休日(週1日)に勤務させたとき 35%以上
深 夜(深夜手当) 22時から5時までの間に勤務させたとき 25%以上

※Ⅰ 中小企業につきましては、2023年4月1日より適用となります。

(例)通常勤務【所定労働時間が午前9時から午後5時(休憩は1時間)】から翌日の法定休日まで勤務が及んだ場合の割増率

通常勤務【所定労働時間が午前9時から午後5時(休憩は1時間)】から翌日の法定休日まで勤務が及んだ場合の割増率の図

※Ⅱ 法定時間内残業については、原則として割増賃金(25%)を支払う必要はありません。ただし、就業規則等で法定時間内の残業にも
割増賃金を支払うと定めている場合は、その定めによります。

2. 割増賃金を計算する上での1時間あたりの賃金の求め方(月給制の場合)

【計算式】月給÷1年間における1か月平均所定労働時間

(例)基本給235,000円、精皆勤手当8,000円、家族手当20,000円、通勤手当15,000円
年間所定休日が122日、1日の所定労働時間が8時間の場合

計算の解説の図

※ 下記①~③は、割増賃金計算の基礎となる月給から除外できる賃金となります。

① 家族手当・通勤手当・別居手当・子女教育手当・住宅手当

② 臨時に支払われた賃金(結婚手当・出産手当・大入り袋等)

③ 1か月を超える期間ごとに支払われる賃金

※ ①の手当については、このような名称の手当であれば全て除外できる
というわけではありません。

※ 家族手当・通勤手当・住宅手当については、家族数、交通費・距離や
家賃に比例して支給するものは除外されますが、一律支給の場合は、
除外されません

3. 同一労働同一賃金について(時間外手当等)

厚生労働省の同一労働同一賃金ガイドラインでは、正社員と同一の時間外、休日、深夜労働を行ったパートタイム

労働者・有期雇用労働者には、同一の割増率等で支給しなければならないとなっています。

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