年次有給休暇について

令和元年9月25日  発行

今月号では、年次有給休暇の付与における基本的なルール等について解説します。

1. 年次有給休暇の発生要件(原則)

正社員、パートタイマーなどの区分なく、下記要件①②を満たしたすべての労働者に対して、年次有給休暇を与えなければなりません。

(1) 年次有給休暇が付与される要件

要件① 雇入れの日から6ヵ月間継続勤務 (※ それ以降は1年間継続勤務ごとに)

要件② 上記期間の全労働日の8割以上出勤している

※ 要件①を短縮して年次有給休暇を付与する場合、短縮された期間は全期間出勤したものとみなして、
要件②の出勤率を算出します。

(例) 4/1入社の社員に、要件①を短縮して7/1に年次有給休暇を10日付与した場合

(2) 年次有給休暇が付与される要件①【継続勤務】について

→ 会社における在籍期間を意味し、勤務の実態に即し実質的に判断されます。

Ⅰ. 継続勤務として取り扱う例

・定年退職者を引き続き嘱託社員として再雇用した場合

・契約社員・パートタイマー等を契約更新により6ヵ月以上引き続き雇用している場合

・休職後に復職した場合 など

(3) 年次有給休暇が付与される要件②【全労働日の8割以上出勤している】について

○ 出勤率の計算方法

Ⅰ. 下記計算式で計算した出勤率が8割以上になることが要件になります。

出勤率 出勤した日
全労働日

○ 全労働日とは、要件①の計算期間の総暦日数から就業規則等で定めた休日を除いた日数になります。

Ⅰ. 全労働日とみなさない日

・ 会社側に起因する経営、管理上の障害による休業日

・ 労使のいずれの責めにも帰することのできない不可抗力的事由による休業日

・ 所定休日に働いた日 など

Ⅱ. 出勤とみなされる日

・ 遅刻または早退した日

・ 業務上の傷病により療養のため休業した日

・ 育児介護休業法に規定する育児休業または介護休業をした日

・ 産前産後休業(労働基準法65条による)により休業した日

・ 年次有給休暇を取得した日

Ⅲ. 労使間の決定するところによるもの(出勤とみなさなくてもよい日)

・ 就業規則で定められた慶弔休暇等を取得した日

・ 生理休暇(労働基準法68条による)を取得した日