【職場のハラスメント言動】
● この調査では、予備調査に基づき「職場のハラスメント言動」を構成する概念を抽出し、下記17項目からなる職場での発生頻度が高いハラスメント言動を選別しています。
これらの項目は、法的に定義されるハラスメントに該当すると判断されるとは限らないものの、一般的な職場で「ハラスメント」と考えられている
内容が抽出されているため、会社の実情や現場に即したものとして参考になります。
① 普段以上に声を荒げて、感情的に相手を責めたり怒ったりする
② 特定のメンバーの前で、あからさまにため息をつく、舌打ちをするなど、不機嫌さを示す
③ 性別、年齢、出身など個人属性に基づいて、「○○には~してもらう」など固定的な役割分担や指示・扱いをする
④ 自分の思いや経験のみに基づいて、十分な説明をせずに相手を動かそうとする
⑤ 価値観の異なる相手の意見・考え方を無視したり、頭ごなしに否定したりする
⑥ 職務とは関係のないプライベートな話題や知られたくない事情について、脈絡なく相手に尋ねたり発言したりする
⑦ 相手の意向や希望を無視して、無理矢理な役割分担や指示・扱いをする
⑧ 一方的に発言・主張し、相手の言い分を一切聞かない
⑨ 相手の失敗や間違いを相手だけのせいにして責める
⑩ 必要性に関係なく、職場のメンバーの失敗や落ち度を周囲にさらす
⑪ 他の人が見ている前で、誰かを怒鳴りつけたりする
⑫ 特定の人の仕事ぶりを根拠なく低く評価する
⑬ 相手が嫌がるような皮肉や冗談を言う
⑭ 相手のあら探しや、細かいところばかりを必要以上に責める
⑮ 問いかけておきながら答えを否定したり、「好きにやっていい」と言いながら細かく管理したりするなど矛盾した言動をする
⑯ できなかったことに対して、無理に理由や説明を求めるなど、相手を論理的に問い詰める
⑰ 陰口を言ったり、悪い噂を広めたりする
【調査結果の概要】
● 「職場のハラスメント言動」の測定項目について、(1)周囲(被害認識)と(2)当人(加害認識)の観点からそれぞれ調査を実施し、
「過去6か月間」にそれらの言動・行為を行ったかどうかについて尋ねたところ、(1)は31.9%である一方で、(2)は22.2%に
とどまり、ハラスメントを受けた側と行った側の認識にギャップがあることが分かりました。
(1)<周囲調査:職場のメンバーが自身を含む同じ職場の人々に対して、それらの言動・行為を行ったか(被害認識)>
(2)<当人調査:自分自身が同じ職場の人々に対して、それらの言動・行為を行ったか(加害認識)>
※ ①~⑰の数字は、17項目の「職場のハラスメント言動」に対応
【出所】:「一般財団法人 労務行政研究所 × 筑波大学 働く人への心理支援 開発研究センター」