健康保険法の改正について

令和3年8月25日  発行

現役世代への給付が少なく、給付は高齢者中心、負担は現役世代中心というこれまでの社会保障の構造を見直し、全ての世代で広く安心を支えていく
「全世代対応型の社会保障制度」を構築することを目的に、健康保険法等の一部を改正する法律案が令和3年6月11日に公布されました。今月号では
このうち健康保険法の主な改正内容について解説します。

【改正のポイント】

1.育児休業中の社会保険料の免除要件の見直し 【施行日:令和4年10月1日】

  改正前(現在) 改正後
短期の育児休業 育児休業が1か月未満の場合、月末時点で育児休業を取得
していれば、その月の保険料が免除されます。
改正前(現在)の取り扱いに加えて、月末時点でなくても
月内に14日以上の育児休業を取得していれば、その月の
保険料が免除
されます。
賞与の保険料 賞与支給月の月末時点で育児休業を取得していれば、
休業日数に関係なく賞与の保険料が免除されます。

1か月を超える育児休業を取得している場合に限り、
免除の対象
になります。

※ 保険料免除を目的とした短期の育児休業取得の防止

2.傷病手当金の支給期間の通算化 【施行日:令和4年1月1日】

がん治療のために⼊退院を繰り返すなど、⻑期間に渡って療養のため休暇を取りながら働くケースについて、治療と仕事を両⽴しながら柔軟な
所得保障を行うことができるよう、支給期間が通算できるようになります。

改正前(現在) 改正後
支給を始めた日から1年6か月を限度として支給。

支給を始めた日から「通算して1年6か月」まで支給されます。

※ 出勤に伴って不支給となった期間がある場合、
その分の期間を延長して支給を受けられることになります。
(延長する期間に限度はありません)

《改正後の支給イメージ》

改正後の支給イメージ図

3.任意継続被保険者制度の見直し 【施行日:令和4年1月1日】

  改正前(現在) 改正後
保険料の算定基礎の見直し

任意継続被保険者の標準報酬月額は下記①②のうちいずれか少ない額となります。

① 従前の標準報酬月額

② 前年9月30日における当該保険者の全被保険者の平均の標準報酬月額

健康保険組合(協会けんぽ以外)について、改正前①②の
扱いの例外が認められます。

【例外】

「①の標準報酬月額が、②の標準報酬月額を超える場合、
健保組合(協会けんぽ以外)の規約により、従前の標準報酬月額」とすることが可能
になります。

資格喪失事由

・任意継続被保険者となった日から起算して2年を経過したとき

・死亡したとき

・保険料を納付期日までに納付しなかったとき

・被用者保険、船員保険または後期⾼齢者医療の被保険者等となったとき

改正前(現在)の資格喪失事由に、被保険者からの申出に
よる喪失が可能
になります。

(※ 「喪失の申出が受理された日の属する月の末日が到来したとき」が資格喪失事由に加わります。)