育児介護休業法の改正について

令和4年2月25日  発行

令和3年6月9日に「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律及び雇用保険法の一部を改正する法律」が公布され、順次施行されます。今月号では、令和4年4月1日施行分改正ポイントについて解説します。

【令和4年4月1日施行分改正ポイント】 (※ (2)(3)産後パパ育休については、令和4年10月1日から対象)

(1)有期雇用労働者の育児・介護休業取得要件の緩和について

⇒ 育児休業・介護休業いずれも、「事業主に引き続き雇用された期間が1年以上である者」という要件がなくなります。
それにともない下記①②につきましてご確認ください。

① 就業規則に、下記(1)の要件が記載されている場合は、令和4年4月1日までにその記載を削除する必要があります。

具体例(現行の規定例と削除対象)
有期雇用労働者にあっては、次のいずれにも該当するものに限り休業することができる。

● 育児休業

(1)引き続き雇用された期間が1年以上←削除!

(2)1歳6か月までの間に契約が満了することが明らかでない

● 介護休業

(1)引き続き雇用された期間が1年以上←削除!

(2)介護休業開始予定日から93日経過日から6か月を経過する
日までに契約が満了することが明らかでない

② 今回の改正で引き続き雇用された期間が1年未満の有期雇用労働者について、法律上対象外から労使協定除外の対象になります。
すでに締結している労使協定において、引き続き雇用された期間が1年未満の労働者について、有期雇用・無期雇用を問わない形で除外
していた場合であっても、改正法の施行後、有期雇用労働者も含めて引き続き雇用されていた期間が1年未満の労働者について育児・
介護休業の申し出を拒む場合は、そのことについて、改めて労使協定を締結する必要があります。(管轄の労働基準監督署への提出は必要ありません。)

(2)妊娠・出産(本人または配偶者)の申し出をした社員に対する個別の周知・意向確認の措置について

⇒ 令和4年4月1日以降、本人または配偶者の妊娠・出産等を申し出た社員に対して、会社は育児休業制度等に関する下記①~④の事項の周知と
休業の取得意向の確認を、個別に行うことが必要になります。

周知事項

① 育児休業・産後パパ育休に関する制度(制度の内容など)

② 育児休業・産後パパ育休の申し出先(例:「人事課」、「総務課」など)

③ 育児休業給付に関すること(例:制度の内容など)

④ 社員が育児休業・産後パパ育休期間について負担すべき社会保険料の取り扱い

個別周知・ 意向確認の方法

① 面談(オンライン面談可)②書面交付 ③FAX ④電子メール等 ※ ③④は社員が希望した場合のみ

実施時期

妊娠・出産の申し出が出産予定日の1か月半以上前の場合 ⇒ 出産予定日の1か月前まで

※ 上記以外の場合、申し出のタイミングにより、実施時期の設定があります。

(3)育児休業を取得しやすい雇用環境の整備について

⇒ 育児休業と産後パパ育休の申し出が円滑に行われるようにするため、会社は下記①~④いずれかの措置を講じることが必要になります。
(※ 複数の措置を講じることが望ましいとされております。)

① 育児休業・産後パパ育休に関する研修の実施

⇒ 対象は全社員が望ましいですが、少なくとも管理職は、研修を受けたことがある状態にすることが必要です。

② 育児休業・産後パパ育休に関する相談体制の整備等(相談窓口設置)

⇒ 窓口を設ける場合、形式的に設けるだけでなく、実質的な対応が可能な窓口が設けられていること、また、窓口の周知等により、
社員が利用しやすい体制を整備しておくことが必要です。

③ 自社の社員の育児休業・産後パパ育休取得事例の収集・提供

⇒ 自社の育児休業取得事例を収集し、事例を掲載した書類の配布やイントラネットへの掲載等を行い、社員が閲覧できる状態にする
ことが必要です。
また、提供する事例を特定の性別や職種、雇用形態に偏らせず、可能な限り様々な社員の事例を収集・提供し、
特定の者の育児休業の申し出を控えさせることに繋がらないよう配慮することが必要です。

④ 自社の社員への育児休業・産後パパ育休制度と育児休業取得促進に関する方針の周知

⇒ 育児休業に関する制度と育児休業の取得の促進に関する会社の方針を記載したもの(ポスターなど)を事業所内やイントラネットへ
掲載が必要になります。