事業場の安全衛生管理体制について

令和4年12月25日  発行

労働安全衛生法では、一定の事業場の事業者について、安全衛生管理体制を組織することを義務付けています。
今回はその中で、「総括安全衛生管理者」「安全管理者」「衛生管理者」「産業医」の選任要件について解説します。

(1)総括安全衛生管理者

下記の業種・規模の事業場について、事業を実質的に統括管理する者を「総括安全衛生管理者」として選任し、安全管理者、
衛生管理者を指揮させるとともに、労働者の危険または健康障害を防止するための措置等の業務を統括管理させることとなっています。
選任要件については下記①②③の通りとなります。

業  種 事業場の規模(常時使用する労働者数)
① 林業、鉱業、建設業、運送業、清掃業 100人以上
② 製造業(物の加工業含む)、電気業、ガス業、熱供給業、水道業、通信業、各種商品卸売業、
家具・建具・じゅう器等卸売業、各種商品小売業、家具・建具・じゅう器小売業、
燃料小売業、旅館業、ゴルフ場業、自動車整備業及び機械修理業
300人以上
③ その他業種 1,000人以上

(注意)例えば、製造業の本社等で製造等を行わず、いわゆる本社機能のみを有する事業場は、「その他業種」に含まれます。

選任期限、報告 選任すべき事由が発生した日から14日以内に選任し、遅滞なく、所轄労働基準監督署へ報告書を提出

(2)安全管理者

一定の業種及び規模の事業場ごとに専属※1の「安全管理者」を選任し、その者に安全衛生業務のうち、安全に係る技術的
事項を管理させることとなっています。選任要件等については下記の通りとなります。

業  種 事業場の規模(常時使用する労働者数) 選任期限、報告
上記①②の業種 50人以上 選任すべき事由が発生した日から14日以内に選任し、
遅滞なく、所轄労働基準監督署へ報告書を提出

なお、下記に該当する事業場にあっては、安全管理者のうち少なくとも1人を専任※2の安全管理者とすることになっております。

業  種 事業場の規模(常時使用する労働者数)
建設業、有機化学工業製品製造業、石油製品製造業 300人以上
無機化学工業製品製造業、化学肥料製造業、道路貨物運送業、港湾運送業 500人以上
紙・パルプ製造業、鉄鋼業、造船業 1,000人以上
上記以外の業種(過去3年間の労働災害による休業1日以上の死傷者の合計が100人を超える事業所に限る) 2,000人以上

※1 専属とは、その事業場のみに勤務する者  ※2 専任とは、通常の勤務時間を専らその職務を行うために費やす者

(3)衛生管理者

一定規模のすべての業種について、事業場ごとに専属※1の「衛生管理者」を選任し、その者に安全衛生業務のうち、
衛生に係る技術的事項を管理させることとなっています。選任要件等については下記の通りとなります。

業  種 事業場の規模(常時使用する労働者数) 選任期限、報告
全業種 50人以上※3 選任すべき事由が発生した日から14日以内に選任し、
遅滞なく、所轄労働基準監督署へ報告書を提出

※3 事業場の規模ごとに選任しなければならない衛生管理者の数が変わります。
(最小:常時使用する労働者数が50人以上200人以下の場合 選任1名、最大:常時使用する労働者数が3,001人以上の場合 選任6人)

なお、下記に該当する事業場にあっては、衛生管理者のうち1人を専任※2の衛生管理者とすることになっております。

・ 業種にかかわらず、常時1,000人を超える労働者を使用する事業場

・ 常時500人を超える労働者を使用する事業場で、坑内労働または一定の有害な業務に常時30人以上の労働者を従事させるもの

(4)産業医

一定規模のすべての業種について、一定の医師のうちから「産業医」を選任し、事業者の直接の指揮監督の下で
専門家として労働者の健康管理等に当たらせることとなっています。選任要件等については下記の通りとなります。

業  種 事業場の規模(常時使用する労働者数) 選任期限、報告
全業種 50人以上※4 選任すべき事由が発生した日から14日以内に選任し、
遅滞なく、所轄労働基準監督署へ報告書を提出

※4   常時3,000人を超える労働者を使用する事業場では2人以上の産業医の選任が必要になります。

なお、下記に該当する事業場にあっては、専属※1の産業医を選任する必要があります。

・ 常時1,000人以上の労働者を使用する事業場や一定の有害な業務に常時500人以上の労働者を従事させるもの