法令等の周知について

令和5年12月25日  発行

会社は従業員に対して、労働基準法第106条により労働基準法及び同法による命令等の要旨、就業規則、時間外・休日労働に関する協定などの
各種労使協定等について、周知しなければなりません。今月号ではこの内容について解説します。

1.周知が必要な事項

(1)労働基準法及び同法による命令等の要旨 (2)就業規則 (3)企画業務型裁量労働制に関する決議

(4)高度プロフェッショナルに関する決議 (5)労使協定(周知が必要な労使協定については下記表をご参照ください。)

周知の必要な労使協定等 条文
貯蓄金管理に関する協定 労基法 第18条
賃金控除に関する協定 第24条
1ヶ月単位の変形労働時間制に関する協定 第32条の2
フレックスタイム制に関する協定 第32条の3
1年単位の変形労働時間制に関する協定 第32条の4
1週間単位の非定型的変形労働時間制に関する協定 第32条の5
一斉休憩の適用除外に関する協定 第34条
時間外労働・休日労働に関する協定 第36条
月60時間超の時間外労働をさせた場合の代替休暇に関する協定 第37条
事業場外労働に関する協定 第38条の2
専門業務型裁量労働制に関する協定 第38条の3
年次有給休暇の計画的付与に関する協定 第39条
年次有給休暇取得日の賃金を健康保険の標準報酬日額で支払う制度に関する協定 第39条
時間単位の年次有給休暇に関する協定 第39条
寄宿舎に関する規定及び寄宿舎規則
(寄宿舎の見やすい場所に掲示し、又は備え付ける等の方法により、寄宿舎に寄宿する従業員に周知する必要があります。)
第95条等

※ 労働基準法以外についても、労働安全衛生法では、法令等について、労働安全衛生規則では、安全衛生委員会(安全委員会・衛生委員会)の議事の概要について、最低賃金法では、最低賃金の適用を受ける労働者の範囲、最低賃金額、算入しない賃金及び効力発生日等について周知しなければなりません。

2.周知方法

下記(1)~(3)のいずれかの方法により、従業員がいつでも、だれでも閲覧できるようにする必要があります。

(1) 常時各作業場の見やすい場所へ掲示する、又は備え付ける。

→ 掲示した箇所、備え付けた場所もあわせて周知を行う。

(2) 書面で従業員に交付する。

→ 内容を変更した場合は、その都度再交付する必要があります。

(3) 磁気テープ、磁気ディスクその他これらに準ずる物に記録し、かつ、各作業場に従業員が当該記録の内容を常時確認できる機器を設置する。

→ 社内ランなど、パソコンで閲覧できるようになっているなど。

※ 「作業場」とは、事業所内において密接な関連の下に作業の行われている個々の現場をいい、主として建物別等によって判定すべきものと
されています。