労働契約内容による年間収入が基準額未満である場合の被扶養者の認定における年間収入の取扱いについて

令和7年11月25日  発行

令和8年4月1日より労働契約内容による年間収入が基準額未満である場合の被扶養者の認定における年間収入の取扱いが変更となります。今月号では、この内容について解説します。

1.令和8年4月1日以降のポイント

被扶養者としての届出に係る者(以下「認定対象者」という。)の年間収入については、認定対象者の過去の収入、現時点の収入または将来の収入の見込みなどから、今後1年間の収入の見込みにより判定していますが、労働契約で定められた賃金(注1)から見込まれる年間収入が130万円未満(注2)であり、かつ、他の収入が見込まれず、

(1)認定対象者が被保険者と同一世帯に属している場合には、被保険者の年間収入の2分の1未満であると認められる場合(注3)

(2)認定対象者が被保険者と同一世帯に属していない場合には、被保険者からの援助に依る収入額より少ない場合には、原則として、被扶養者に該当するものとして取り扱うこととなります。

労働契約の内容によって被扶養者の認定を行う場合は、労働基準法第 15 条の規定に基づき交付される「労働条件通知書」(以下「通知書」という。)等の労働契約の内容が分かる書類の添付及び当該認定対象者に「給与収入のみである」旨の申立てを求めることにより確認します。

具体的には、通知書等の賃金(注1)を確認し、年間収入が130万円未満(注2)である場合には、原則として被扶養者として取り扱います。

なお、労働契約の更新が行われた場合や労働条件に変更があった場合(以下「条件変更」という。)には、当該内容に基づき被扶養者に係る確認を実施することとし、条件変更の都度、当該内容が分かる書面等の提出を求めます。

被扶養者の認定の適否に係る確認時において、当初想定されなかった臨時収入により、結果的に年間収入が130万円以上(注2)の場合であっても、当該臨時収入が社会通念上妥当である範囲に留まる場合には、これを理由として、被扶養者としての取扱いを変更する必要はありません。

2.労働契約内容による年間収入が基準額未満である場合の被扶養者の認定における年間収入の取扱いに係るQ&A

Q1.   労働契約で定められた賃金(注1)から見込まれる年間収入が130万円未満(注2)であるとは、具体的にどのような場合ですか。

A1.   労働条件通知書等の労働契約の内容が確認できる書類において規定される時給・労働時間・日数等を用いて算出した年間収入の見込額が130万円未満(注2)である場合を想定しています。
そのため、当該書類上に明確な規定がなく予め金額を見込み難い時間外労働に対する賃金等は年間収入の見込額には含まないこととなります。

Q2.   労働契約内容が確認できる書類がない場合、どのように年間収入を判定しますか。

A2.   労働契約内容が確認できる書類がない場合は、従来どおり、勤務先から発行された収入証明書や課税(非課税)証明書等により年間収入を判定することとなります。

Q3.   労働契約に明確な規定がなく労働契約段階では時間外労働の見込みがなかったが、扶養認定時点では経常的に時間外労働が発生している場合は、どのように年間収入を判定しますか。

A3.   労働契約に明確な規定がなく労働契約段階では時間外労働の見込みがなかったのであれば、扶養認定時点で時間外労働が発生していたとしても、当年度においては一時的な収入変動とみなし、今回の取扱いにより年間収入を判定することとなります。

Q4.   認定対象者の「給与収入のみである」旨の申立てはどのように求めますか。

A4.   健康保険被扶養者(異動)届の「扶養に関する申立書」欄に認定対象者本人が記載する方法や、健康保険被扶養者(異動)届の添付書類として認定対象者本人が作成した「給与収入のみである」旨の申立書を添付させる方法等により対応を行ってください。

(注1)労働基準法第 11 条に規定される賃金をいい、諸手当及び賞与も含まれます。

(注2)認定対象者が 60 歳以上の者である場合又は概ね厚生年金保険法による障害厚生年金の受給要件に該当する程度の障害者である場合にあっては、180 万円。
認定対象者(被保険者の配偶者を除く。)が 19 歳以上 23 歳未満である場合にあっては150 万円。

(注3)当該要件を満たさない場合であっても、当該認定対象者の収入が被保険者の年間収入を上回らない場合には、当該世帯の生計の状況を総合的に勘案して、
当該被保険者がその世帯の生計維持の中心的役割を果たしていると認められるときは、被扶養者に該当するものとして差し支えないこと