令和8年4月からの在職老齢年金制度改正について

令和8年3月25日  発行

令和8年4月から、年金が減額になる基準額(賃金と老齢厚生年金の合計)が月51万円から65万円に引き上げられます。
今月号では、この在職老齢年金制度の改正について解説します。

【令和8年4月1日施行】

(1)在職老齢年金制度とは

在職老齢年金とは、働きながら年金を受給する高齢者について、一定額以上の報酬のある方は年金制度を支える側に回ってもらうという
考え方に基づき、年金の支給額を調整する仕組みです。

• 年金のうち、調整の対象となるのは「老齢厚生年金」のみです。

• 支給停止される額の計算は、月額単位で行います。

• 基準額を超過した場合に調整(支給停止)されるのは年金です(給与には影響ありません)。

(2)今回の見直しの趣旨は?

令和7年年金制度改正法に基づき、令和8年4月から、年金が減額になる基準額(賃金と老齢厚生年金の合計)が月51万円から65万円に引き上げられます。

平均寿命・健康寿命が延びる中で、働き続けることを希望する高齢者の方の活躍を後押しし、より働きやすい仕組みとすることが、今回の見直しの趣旨です。

(3)改正内容

厚生年金保険に加入しながら老齢厚生年金を受ける60歳以上の方は、基本月額※1と総報酬月額相当額※2に応じ、年金額が支給停止※3
(全部または一部)される場合があります。

令和8年3月以前は、総報酬月額相当額と老齢厚生年金の基本月額の合計が「51万円」を上回る場合には、年金額の全部または一部について支給停止されていましたが、令和8年4月以降は、総報酬月額相当額と老齢厚生年金の基本月額の合計が「65万円※4」に見直されました。

※1  加給年金額を除いた老齢厚生年金(報酬比例部分)(年額)を12で割った額。共済組合等からの老齢厚生年金も受け取っている場合は、日本年金機構と共済組合等からのすべての老齢厚生年金を合わせた年金額を12で割った額。

※2  毎月の賃金(標準報酬月額)+1年間の賞与(標準賞与額)を12で割った額。「標準報酬月額」、「標準賞与額」は、70歳以上の方の場合には、それぞれ「標準報酬月額に相当する額」、「標準賞与額に相当する額」となります。

※3  共済組合等からの老齢厚生年金も受け取っている場合は、すべての老齢厚生年金に対する支給停止の総額を、それぞれの老齢厚生年金の年金額に応じて割り振り算出します。

※4  令和8年度の基準額で、毎年度、賃金の変動に応じて改定されます。

参考例

賃金月46万円、老齢厚生年金の受給額が月10万円の場合のイメージ図